社会不適合なまいむちゃんのそれっぽいブログ。
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 先ず人間の四肢で言うなら右足に当たるダゴモンの触手がマリンデビモンに襲い掛かった。マリンデビモンはそれを一本の触手で受け止めかなり急角度で入る鋭い爪のアッパーで切り裂こうとした。ダゴモンは掴まれた足を振り上げ体の重心を落とすと地面に手を付き体を捻って側頭部めがけて浴びせ蹴りを仕掛けた。それが他の触手によって受け止められたのを見ると今度は縦に身体を捻りかなり強引に掴まれていた足を引っこ抜いた。

 体勢を立て直さない内に出された後方からの蹴りによる攻撃を、気配のみで察知し僅かに体位をずらして交わし、両腕でマリンデビモンの腕を掴むとそれを身体から引き千切らんばかりに前方に進もうとする身体に巻き込んで、投げにかかる。しかしマリンデビモンは爪を杭の様に地面に突き刺しダゴモンの投げに耐え、隙だらけの背中に蹴りをかまして組を脱した。

 更にマリンデビモンはダゴモンの足を掴み触手一本だけで空中に放り投げた。これが何本もある触手のうちの一本の力のみで起こしているアクションだと考えるとマリンデビモンの力が単純にどれ程強いのかが窺える。二十メートルはありそうな巨躯は車一台では足りない程の重量がある筈なのだから。

 宙に投げ出される形となったダゴモンは続けてその腕力を駆使した強烈なパンチを幾度も繰り出されたが、不利な体勢にも拘らず見事にそれを全て受けきった。しかしやはりそこは踏ん張りの利かない空中である。攻撃の勢いにまでは耐えられずにやむなく弾き飛ばされた。

 デジモンとはかくも驚異的な生き物である。ダゴモンはその恐ろしいまでの能力を発揮し空中で体勢を入れ替えると激突するかと思われていた壁に見事に着地(・・)した。

 衝撃を抑えるように膝をクッションとして上手く働かせながら、逆にその強さを利用し、作用反作用の原理で壁を蹴りマリンデビモンの元まで一気に飛んだ。

 壁に激突するものと思っていたダゴモンの思わぬ反撃に、追撃しようと加速をつけていたマリンデビモンは急ブレーキを掛け進行方向を完全に逆転させた。ダゴモンは空中で右腕を束ねる鎖を外し無数に分散した触手を鞭の如く撓らせマリンデビモンを打ち据えた。

マリンデビモンは触手を前面に集めこれまた触手を撓らせてダゴモンの触手を散らして直撃を避けた。そしてタイミングを見計らいばらけた右腕を左腕でまとめて脇に抱え込みついでに左腕も掴んで巴投げの要領で後方へ投げ飛ばした。というより投げるタイミングで蹴りが入っているから蹴り飛ばしたとも言うべきかも知れない。

 予測不能の攻防に紫苑は黙ったまま目でそれを追うしかなかった。元よりマリンデビモンへの助言など到底出来ない事は分かっていたが、自分の本来の実力とあまりに差がありひどく憂いを感じた。しかし驚いた表情だけはしなかった。この場にも平然と立っていられなければ自分に今後は無いと思っているのかもしれなかった。紫苑は強く歯噛みしながら自分の右腕を掴んだ。

 ダゴモンはそのままなら頭から地面に突っ込むところをマリンデビモンの投げの勢いに乗って身体を天地逆さに起こし背中の鰭(ひれ)の付いた短い触手を広げて僅かに投げ飛ばされた際のスピードを緩めた。そして一瞬で手に長い三股の槍、フォビドゥントライデントを生成した。身体に半回転を加え空中でそれを地面に突き刺し、槍の柄を支柱に反転し投げられた勢いで既に起き上がっていたマリンデビモンを蹴り付けた。

よもやもう反撃はあるまいと思っていたマリンデビモンはその予期せぬ攻撃の直撃を受けた。

 マリンデビモンとて愚かではない。身体を引いてダメージを軽減するぐらいの事はしていた。しかし僅かに蹌踉(よろ)めいたタイミングを狙いダゴモンは追撃を加えるべく着地と同時に槍を抜いた。そしてそれを一度肩の周りで回し、頭の上で回し柄の先の方で叩きつけ素早く引いて突き出した。

 マリンデビモンはその一撃目こそ甘んじて受けたものの二撃目までは受けず、突き出された槍の刃先を爪で弾き上げ触手で柄を絡め取り、崩れた体勢のまま槍を持つ腕を蹴りダゴモンから槍を奪い取った。今度は追撃されぬよう。槍を持ったまま横に転がりすぐに立ち上がって槍を構えた。ダゴモンは武器を取られたのにも関わらず少しも焦った雰囲気を感じさせず、一歩下がり逆の腕の鎖も解いてしまった。

 ダゴモンは肩に掛った数珠のうちの一つの珠(たま)に触れた。珠が一瞬発光したかと思った次の瞬間、マリンデビモンの手からは槍が消え失せダゴモンの手の内に戻っていた。どうやらとことんやりあう気らしいなと紫苑は思った。お互いに引けぬ理由があるからこそ人は戦い続け傷付け合うのだ。彼らはデジモンという存在ではあるが同じことだ。

 マリンデビモンは手を温めるように息を吹きかけた。ダゴモンは数珠をちゃらちゃらと鳴らして触手でなにやら呪文の印を結ぶようなことをし祈祷を始めた。マリンデビモンの体はぶるぶると震え、息を吹きかきえられた両手は漆黒に染まった。ダゴモンはその無数の触手の数に見合う程の槍を生成していた。手の内の読み合いは終わった。後は純粋に能力値の高さでのみ戦うことになる。雰囲気から紫苑は二人の全力を読み取った。かなりの距離を後退った。

 ダゴモンがフォビドゥントライデントの矛先をしっかりとマリンデビモンに向けているのに対してマリンデビモンは何も構えを作らなかった。その行為が自信の表れなのか単なる驕りなのか、何かの策によるものなのかは分からなかった。

 マリンデビモンはダゴモンの突き出した槍の刃を爪で掴んだ。マリンデビモンの爪は驚嘆に値するほど強靭になっていて全ての槍の刃先は豆腐さながらに音も立てずに切り落とされた。

 マリンデビモンは高らかに笑った。ダゴモンは厳かに嗤(わら)った。





 私はどうしていいか分からなくてただ白い部屋の眩しさに目の奥が痛むのを感じ、目を細めながらもその禍々しい姿を痛みとともにしっかりと目の奥に刻み付けていた。

 遠くでただ状況を見定めているだけの紫苑の姿と、倒れている蛸(たこ)らしい姿をしたデジモンの片方の腕が無い姿と、蛸のデジモンの頭を掴み紫苑が本気で怒っている時のような悲しくて震えてしまう程芯から心を凍らせる殺気を放っているデジモンの姿が私の目には見えた。誰が見てもその光景に変わりようがあるはずはないけれど、それが幻であったり蜃気楼であったりして欲しいと私は心の底から切望した。

 何故だか分からないけれど、私は蛸のデジモンの頭を掴む烏賊(いか)の類の姿をしたデジモンがゴマモンちゃんであることを私は確信した。その佇まいが何処となく紫苑に似ていたからだと思う。一人で暇を持て余すことが好きで夕暮れに一人で黄昏を眺める紫苑の姿に確かに似ていた。

 ゴマモンちゃんだったデジモンは蛸のデジモンを放り捨てて壁に拳を打ち付けた。それだけでとてつもなく厚い硬そうな壁があっさりと崩れてしまった。


「紫苑!」


 私は久方ぶりに出会うことの出来た紫苑の名前を叫んだ。駆け寄りたい気持ちは一杯あった。けれどそうしようとして体を動かした途端にゴマモンちゃんだったはずのデジモンが私と紫苑を隔てるように素早く腕を振り横一線に地面を抉り取った。


「無事だったのか。悪かったな巻き込んで」


 紫苑はぶっきらぼうないつもの調子で言った。ただ遠くてよく分からなかったけれど、いつものようあの私を煙たがるみたいな含み笑いはしていなかったように思う。


「悪いついでなんだが、あ~もう行かなけりゃいけねぇんだ」

「そう思うんだったらいの一番に助けに来なさいよ!」


 私はいつものように感情を剥き出しにして言った。紫苑とはいつもこうだった。何をやるにしても協調性の無い紫苑は私がきちんと見ていなければいつも自分勝手に行動して、私はそれを怒ってばかりだった。紫苑は自分から自分の感情を表してはくれなかったから私から感情を見せて近づいていかなければならなかった。でなければ紫苑は私にでさえ安心しては近づくことをしなかった。私はゴマモンちゃんだったデジモンの作った割れ目に一歩ずつ近づいていった。


「どうせ…んなこと言われるだろうからお前のことは後回しにしようと思ってたんだよ。だからそれ以上こっちに近づいてくれるな。もうお前の面倒は見きれねぇんだ」

「面倒見られてたのはいつもアンタだったでしょ!勝手なことばかりするんだから!…心配掛けないでっていつも言ってるじゃない…」


 紫苑の様子を見ていたらなんだか泣いてしまいそうになってきた。


「そういう顔するのはやめろよ…。悪かったって、反省してる。だから本当にこっちに近づいてくれるな。今のこいつはお前を襲わんとも限らん。それにお前はとれぇんだからその亀裂に落っこちるぜ」


 紫苑は少しばかり亀裂の方へ歩み寄った。話すときもそっぽ向いたりしていつも心を近づけてはくれないくせに。少しくらい無茶でもしないと紫苑は私のほうを向いてくれない。私はアクスモンをそっと地面に降ろした。


「本当に助ける気があるなら助けてよ」

「馬鹿ばっかやるな!」


 でもいざというときは絶対に助けてくれる。今までだって、がたいのいい男子と喧嘩になったりした時も、風邪を引いてへばっていた時も、私がお母さんを亡くして悲しみにくれていたときも。

 私は助走をつけて亀裂を飛び越えようとした。亀裂自体は四mあるか無いかぐらいだから飛び越えることはわけないはずだけれど、紫苑の言うとおり私の運動神経は余りよくない。

 私の体は亀裂に吸い込まれていった。紫苑は言っていた。どんなに選択肢があっても結果はいつも一つだと。そして結果は一つだった。紫苑は暗い穴の底へ消えそうだった私の手を取った。


「ろくなことしやがらねぇんだからよ」


 紫苑は片腕で私を引き上げ口の端で笑いながら呟いた。そこには私が紫苑に感じているようなのと同じ諦めの感情も混じっていた。


「無茶するのはアンタばっかりじゃないんだから」


 私は紫苑が立ち上がってしまう前にその身体に抱きついた。私はこんなことがある度にこんな風にして紫苑に抱きつく。そして紫苑もそれを知っているからいつものように私の頭を抱えて、すまない、と呟いて私を引き離す。

 その時天井の開けられた穴から何かが落ちてきた。その姿を見て紫苑は驚いた私の頭を支えにして立ち上がった。私は紫苑のシャツを掴んだまま座っていた。

 穴から降りてきた彼は先ずこう口走った。


「僕はてっきり君が戦っているものだと思ってたんだけどまさか乳繰り合っているとは思わなかったよ」

「これは諸事情により、だ。気にすんな」


 紫苑は紳さんに向かってぴしゃりと言った。





 紫苑は一切を説明しないまま烏賊になったゴマモンちゃんの長い触手の先に捕まってあっという間に行ってしまった。もう慣れっこになった、普段は何をやってるんだかしょっちゅう吹っかけられる喧嘩の後にも、外に出てるよって未来ちゃんの言葉に従っていつもの場所、とお台場前の海に行ってみると殆ど決まって近所の小さいのから大きいのまでの子供達と遊んでいて、また?って声を掛ける度にも、部活の剣道の練習が終わった後に今日の飯は俺が作るわって言いに来るときにも嗅いでた紫苑の汗。その匂いが吹き込む風に散らされた。

 佐川さんは複雑な顔をしてゴマモンちゃんの姿を目で追っていた。それはあの禍々しい姿のゴマモンちゃんに脅威を感じていたりしているようにも、紫苑に脅威を感じてたりするようにも見えた。どちらにしたって紫苑はそういった脅威と共に歩いているに違いない。


「あれだけ強そうなパートナーが要れば心配は無いよね。さて紫苑君から君を任されたのは良いけどこれからどうしようか」


 調子はおどけていたけれど、紫苑が何も言わずに言ってしまったのと同じく、何か言いたくないことがあるのだってことが分かった。きっとそれは二人の優しさだと思うんだけど、私にしてみたら何も言って貰えないってことが悲しい。本人達にしてみたら私を巻き込まないようにってことなのだと思うけど、でも二人とも嘘が下手。私がそういうことには鋭いってことなのかもしれないけど。

 きっとゴマモンちゃんがあんな姿に進化したことも、紫苑が急いで飛び出していってしまったのも二人にとってはまた他のもっと重要なことでとっても大変な意味を持つものなんだって私には分かる。私はそれを聞きたい。聞かなくちゃいけない。


「佐川さん…紫苑が何処に向かったかわかりますか?」


 余計な回り道はやめてストレートに言った。紫苑の心にあるもの、佐川さんの思うこと、全ては分からないけど私は私が担うべき役割を果たすことを心に決めた。担うべき役割は誰が決めるものか分からないけど、私は今しようとすることがそれだと思ってる。


「…ふぅ~、だ~よ、ね。君みたいな子が何も聞かずに納得する訳ないっか」

「で、教えてくれるんですか?」

「いや…連れて行くよ。道中で説明できることは説明する。曲げようのない意志ってのはあるもんさ。そういうところは君も紫苑君も同じだね。いやぁ、実にいい組み合わせだよ君達は」


 佐川さんは意味ありげに微笑んで言った。私は多分少し赤くなってちょっと怯んだ。紫苑が何も言わない―――まー多分何も考えてないんだろーけどさ―――から誰かにそう言ってもらえるのは嬉しくて恥ずかしかった。でもってことは私の色々はもう大分ダダ漏れって事なんだけど。


「う~、からかわないで下さいよ」


 私は気を取り直して真面目な顔を作った。戦いに望むにはこんな顔ではいけない。紫苑のように凛と前を向かなくちゃ。


「行こうブイドラモン。負け通しで黙ってたら面白くない」


 佐川さんの持つデジヴァイスと呼ばれる類のものが光を放った。佐川さんのパートナーのブイドラモン君がその光を取り込んで姿を変えた。


「少し寝たんで体力回復しましたよ。でもいつまでもつか分からないので飛ばしてきますよ。さぁ乗ってください」


 佐川さんは翼の根元に手をかけてよじ登り私を引っ張りあげてくれた。アクスモンは進化したブイドラモンが抱えてくれた。


「佐川さん、有り難う御座います」

「―――ならできれば苗字で呼ぶのは止めてもらいたいけどね―――」

「え?なんですか?」

「翼の根元に掴まるといいよ。一番掴みやすいから」

「あ、はい」


 私は佐川さんに言われた通りに翼の根元をしっかりと右手で掴んで、それからブイドラモン君は羽撃きを始めた。

 そういえば紫苑は左手でゴマモンちゃんの触手を掴んでいたけど、それは何でなんだろ。紫苑は右でいつもご飯を食べてる。去って行った紫苑に何か違和感を感じたのはそのせいかな。

 それが何を意味するのかは随分と後のことになるんだけども、それに気付いたときにはもう事態は取り返しのつかないところまで来ていることになっていた。それを知らない現在の私はこれから先起こるだろうことに思考を巡らせていた。これでも割と切り替えは早い方だから。





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 毛穴が閉じる、という表現はよく聞くものだが、全身の毛穴が開くという表現はあまり聞かない。

 紫苑は長時間使い続けたパソコンやゲーム機のように開いた毛穴から熱を放出しなければならなかった。そのまま放っておいたら自らの熱で溶けていたかもしれなかった。ともかく紫苑は強烈な殺気を放ち続けた。鬼か悪魔か、紫苑の顔はそんな様相を呈していた。


「やる気なのね。今の貴方では明らかに敵わないこの私と。…紫苑君、ここは全てを私に委ねたほうが賢明だとは思わない?貴方の為にも、葉月さんの為にも」


 腕組みをしながら遠まわしに降伏を勧める結花の目に今にも飛び掛りそうな様子で視線を返した紫苑は全身に強く力を込め、言った。


「俺を、俺をそんなフニャチン野郎だと思ってんのか?違ぇよな、分かってんなら選択肢はねえだろ。俺はお前をボコって葉月の居場所を吐かせる、それだけだ」


 イッカクモンは角を二、三発撃ち出した。だが紫苑もイッカクモンもそれが通用するようなことはないと既に確信していた。威嚇にすらなりはしない。それだけの力の差があることは十分に分かっていた。しかしそれでも紫苑は撃つ。案の定オクタモンに発射されたすべての角を銃で撃ち落されても。いつだってそう、勝利を諦めたことは無い。経験も浅くたいした修練も積んでいない自分が幾度も死線を越えてきたのはそういう心持ちがあったからこそと紫苑は思っていた。


「分かったかしら。貴方一人の力では私には及ばないわ。かといって助けも来ないわよ。無駄に用意周到な貴方のことだからいざという時の為に紳君を連れて来たのでしょうけれども、彼もまた既に私の手の中よ」

「…元々当てになんかしちゃいない。いつだって一人で戦うのさ、俺も手前ぇも」


 紫苑は自嘲気味に笑った後デジヴァイスのボタンを何度か操作し、腰に戻した。


「あら、心外だわ。いつでも一人なのは貴方のほうでしょう。誰も俺に近寄るな、って目をいつもしていたじゃない」


 何のことやらといった表情でくっくっと笑いながら結花は皮肉を返した。


「いや、俺から言わせりゃそれはお前の方が当てはまんだろ」

「あらまだ言う気?意外としつこいのね。しつこい男は嫌われるわよ」

「俺の嫌われっぷりは知ってんだろ。まぁ好かれようとも思わねぇよ。お前だってそうだよな。いい顔してても回りは全部敵。仲間にも友達にもなれない。勿論それはお前が女王だからってだけじゃねぇ。実際のお前の性格から考えて、お前がこっち側の人間だったとしてもお前に仲間ができるなんてことはねぇよ」

「何それ、嫌味のつもりかしら?私には僻(ひが)みにしか聞こえないけど?」


 嫌味の応酬、というよりは寧ろ単なる口喧嘩のように思えた。しかしいつの間にか紫苑が平静を取り戻し逆に結花に落ち着きが無くなってきた。ぱたぱたと足踏みをしている。


「事実さえあればんなもんどっちでもいい。自分で考えてみろよ、本当にお前が一人じゃなかったか。お前の意見に反対する奴がいたか?お前の目を見て喋る奴がいたか?ここにいる連中もそうだろう。全部が全部はいはい従うだけ。下らねぇ。孤立無援もいいとこだ。どうだよ自分で考えたら思い当たるふし色々あるだろ」

「違うわ」



「違わないな」

「違うわ!」
「違わねぇよ」


 結花は小さく震えだした。しかられた子供のように視線を泳がせ、落ち着き泣く軸足を左右に変えていた。結花はポケットから四角い箱を取り出した。知らずのうちにやや拉げさせながら取り出したそれの中から細長い円柱状のものを引っ張り出した。それは煙草だった。


「あげくにゃそんな麻薬まがいみたいなもんに手を出す」

「ニコチンは麻薬とは呼ばれていないわ」


 結花は煙草に火をつけて一吹きした。放射状に飛び出した白い煙がもくもくと散らばって結花の目の前を覆った。


「んなんじゃ現実にもダチ公なんていやしなかったんだろうよ、この中毒者(ジャンキー)が」

「ふざけるのも対外にしなさい!マミーモン出て来なさい、出て来なさいよ!聞こえているんでしょ?」


 紫苑はイッカクモンに飛び乗り、イッカクモンは後方へ大きくジャンプした。振動が部屋全体に伝わり、空気すらも震わせていた。天井から降った瓦礫を避けながらイッカクモンはある程度下がると瓦礫の雨の中を睨み付けた。デジモンが降ってきた。反射的に角を発射した。


「オレっち呼んだかベイェ。おっとそこの坊主は始めましてだナイストゥミーチュー。ずいぶんなご挨拶じゃねぇの?バァァァァット!どうせなら核でも持って来い糞ボーイ、ヒャッハフゥァー!」


 やたらテンションの高い包帯男のマミーモンは飛んできた角を鷲摑みにすると葉巻のように口にくわえて角を握りつぶした。その爆煙を振り払うと口から余った爆煙をわっか状にして吐き出した。


「そいつは悪かったな鼻糞君、だが俺は生憎大事な話の途中でね、できれば地獄の方までお使いに行ってきて貰えっかねぇ」


 突き出した拳の親指を立ててくるりと百八十度回転させて紫苑は言った。マミーモンは包帯の下に隠れた目を丸くして結花のほうを見た。


「おっとおっと、オレっち姿を見てガァガァダッグ君にならなかったのはこいつだけだよなぁ。おまけにブリより活きがいいときてる。こいつは最高だ。んなぁこいつ殺(や)ってもいいかい?ハニー・ハニー・クイーン」


 マミーモンは肩を竦めておどけてみた。下卑た笑いを浮かべ誘うように結花を見る。しかし結花は目を合わせずに煙草を吹かした。


「駄目よ、貴方はこれから辺りを地域を殲滅するのだから。一番強いテイマーはここでオクタモンに倒される」

「ァオ~ゥケェイ。オレっちの好きなこと、つまり殺人、マーダー、ジェノサイド。オゥライ、ぼろい商売だなこりゃ」


 紫苑お得意の嫌味な調子合わせも人をくった様な発言であっさりと切り返されてしまった。結花はそれに便乗するように紫苑の神経を逆なでするような言い方で言った。


「こんなのが仲間とはな、あきれて物も言えないね。刺激を求めて不良グループに仲間入りする箱入りと変わんねぇ。ったく薄っぺらい人生だな。お前らをボコしても他の奴にゃ言わんでやるよ。俺の株が下がるし」


 それでも悪口雑言に関しては半ば不良であるような紫苑に他は元より結花が敵うはずもなかった。結花は歯噛みし、顔を紅潮させ憤怒した。平静を装っても顔にその色はなかった。


「…五月蝿い。もういいわ。其処まで言うのならおっくんを倒して私達を追ってきてみなさい。行くわよマミーモン」

「ハイハイハイハイ、アイ、セイ、イェェス」

「逃げるのかい?俺には敵わないと分かると直ぐに。そうやって傷付く事から逃げるから薄っぺらい人間になるんだよ」

「五月蝿いって言ってるでしょう!これを見てもまだそんな事が言えるの?」


 ヒステリックな金切り声を上げて結花は自分のデジヴァイスを起動した。とたんに黒い光がオクタモンに向かって飛び出し、オクタモンの体はそれを飲み込んだ。


「貴方の探し物はこの山の何処かに居るわ。もっともそれを探している余裕なんて在りはしないだろうけれどね」

「知るか」


 オクタモンの体を覆う壷に罅が入ってゆき、次第に壊れ崩れてゆく。オクタモンの体が壷に収まりきらず巨大化して壷を粉々に砕いた時にはもう既に別種のデジモンに成り変っていた。オクタモンはマミーモンの開けた穴から去り行くマミーモンと結花を背にしながら完全に変貌を遂げた。紫苑は風の通り抜ける穴に向かって呟いた。穴の向こうで何かが光ったのもとりあえず見逃さなかった。


「わかってたんだよ。レオのおっさんが俺達を救ってくれたときから。俺の求めた進化は決してするべきものでないことも、あの山地にDS(ディープセイバーズ)であるダゴモンが居た理由も」


 紫苑はオクタモンだったものに向き直った。イッカクモンはグルグルと唸りながら今にも飛び掛らん雰囲気でオクタモン、基その進化系であるダゴモンを睨み付けた。


「お前の進化先の姿なんか分かってた。なぁダゴモン。全てを教えて貰うぜ。おっさんがお前と戦ったときの事をな。喋れるかどうかは知らんが」


 紫苑は腰のデジヴァイスに手をやった。一瞬イッカクモンと目を合わせたがお互いに何も言わずに目を逸らした。


「俺達はお前を倒してあいつを救う。そう救うんだ。力と引き換えに失うものは多すぎる。それをよく分からせてやらにゃならねぇ。あいつがこれ以上誰かを毒の沼地を進む前に」


 どんなに逞しく勇ましい戦士だとしても、紫苑は若干十三歳中学二年である。一度友となった者を見捨てる程非情にはなりきれない。

 何処かで水の流れる音がした。流れた水はゴボゴボと音をたてて排気口に吸い込まれてゆく。その中でも止まることなく全て同じ方向へ流れ続けてゆく。紫苑の腰元のデジヴァイスが強く、悲しく、そして暗く光った。光はオクタモンの時と同じようにイッカクモンの体へ吸い込まれていった。確固たる意志を持ってイッカクモンはそれを受け入れた。


「あいつはこれ以上罪を重ねてはいけないってのはお前にも分かるだろ。俺は今更…ってほど昔のことでもねぇが、お前にレオのおっさんの復讐をしようだなんては思わねぇ。ただもうこいつの制御は利かないのさ」


 その昔、完全体は一流のテイマーの元か厳しい条件を生き抜いてきたデジモンでしか成れないと言われていた。実際に今の紫苑ではイッカクモンを完全体にする事は出来なかった。上等なテイマーでなくともスマートな戦い方が出来なくとも紫苑にはやるべき事がある。それをするために最大限のことをするのは当然のことだった。紫苑は周りに持て囃されるほど自分を天才だとは思っていない。強くなれる方法があれば我先に飛びつくことさえある。例えそれがどんなに外法と呼ばれるものであっても。


「お前は二度と呼びたくなかった。だが今は力を貸してくれマリンデビモン」


 苦悶の表情を浮かべこれから先のことに思考を巡らせている紫苑の横で深い深い海の底の悪魔はダゴモンを睨み付けた。同じ行為である筈なのに悪魔からは先ほどのイッカクモンのような明らかな怒りは見えて来なかった。その感情を知る物はいない。それが所謂暗黒進化というものだった。





 拘束もされず、見張りも付けられず、ただ広く暗い当にデジタル空間の中のような部屋に私は佇んでいた。壁一面に光る緑のラインを綺麗に思ったけれど、私の心はひどく不安だった。


「…ごめんね」


 私はまだ倒れて目を覚まさないアクスモンを見て呟いた。私は心底アクスモンに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。私の不甲斐なさが今回の結果を招いた。デジモンの戦いはテイマーの強さ、特にメンタル面でのそれが勝敗に大きく関わる。紫苑はそういって私にデジモンテイマーになることに反対した。そんなことを今更理解したって遅い。本当ならもっと強い姿へと進化する事の出来るアクスモンは私の弱さの所為で戦う事が出来なかった。紳さんにも迷惑を掛けた。

 私は戦いというものがそもそも何なのか分かっていなかった。そしてきっと分かろうともしていなかったのだと思う。言い訳をするわけじゃないけど、諍(いさか)いの耐えない紫苑の姿を見ていた私にはそうとしか考えられなかった。だから可能性を捨て去り逃げ回って誰かの後に付いて任せているだけだった。生きていくうえで辛い事や傷付くことくらいいくらでもあるってことに目を向けてなかった。

 微かに聞こえる多分大きな何かの音と振動が伝わってきた。きっとこの場所の近くで誰かが戦っているんだと思う。もしかしたら私の危険を知った紫苑が私を助けるために戦っているのかもしれない。それが本当ならとっても嬉しいけど、そう考えてしまう私を情けなく思った。

 私は何を見てきたんだろう。違う、何も見てないのよ。ただ体を縮こまらせて震えていただけ。ちゃんと世界を見ていた紫苑とは違って。

 戦いが全てとも思わない。ただ、争いだけが悪いとも私には言えない。私がここでこうしているその下にいくつもの血が重なり合って私はそれを知らないでいられたの。私がこのままだったら今まで流れてきた多くの血流に申し訳ない。

 私が無知で無力だという事はもう分かった。後はその経験を活かすだけ。私は心を震わせて立ち上がった。私自身がその全ての始まりの場所へ立つために。意外にも足元は安定していた。ふらつく事もなく、吐きそうな気持ちになることもなかった。

 私をここへ連れてきたデジモン達が女王と慕っていたのは結花さんだった。私はその事実になんとなく驚かなかった。彼女が何か隠し事をしている目をしていたことを覚えていたから。

 紫苑は何時も言っていた。やるべき事はいつだって一つだって。本当の目標は常に一つのところにあるんだってことなんだよね。

 私のやるべきことは紫苑に、ゴマモンちゃんに、結花さんに、オクタモン君に微弱でも力を貸す事。誰一人としてこの部屋のように暗いところへなんか行かせない。そう確かに心に誓って私はまだ目覚めないアクスモンを抱きかかえ、闇雲に戦いの場所を目指した。




「マスター大丈夫ですか?無理はしないでくださいよ」

「気遣って貰わなくても大丈夫。それにダメージで言ったらお前のほうがあるだろう?昨日から戦闘続きだったもんな」


 テイマーを励ましてくれるデジモンって言うのは珍しいものだと思う。戦うとき以外は食べてばかりのデジモンもいることだし。

 それにしても僕等は結構此処でタフになったみたいだな。昨日今日で随分と打ちのめされた気がしていたけどまだまだ気力も体力も無くなって萎えきっている訳じゃぁなさそうだ。まだまだ挽回のチャンスはある、要は此処から逃げ出すだけなのだし。

 ただ今のところの頼りは紫苑だけだ。果たして僕の敵わない敵に紫苑が勝てるかってのは疑問だけど紫苑なら何とかしてくれる気がする。いつもここぞという時に何とかしてくれる、そういうオーラを放っている。彼なら不意を突かれる事も無いだろうし結花さんの事も分かっているだろうし。

 僕の体はぴしぴしと悲鳴を上げている。これが強烈なパンチの風圧で壁に叩き付けられた時に剥離骨折でも起こしたために起きている音でなければ恐らくは筋肉がこれから迎え撃つであろう敵に恐れ震えている音だろう。ただそれくらいで泣き言を言ってもいられない。

ブイドラモンは身体のデータの構成が崩れそうなのを耐えているし、紫苑は僕の代わりに今頃苦しみを背負っているのかもしれないし、結花さんはずっと悲しみと戦ってきていた。マミーモンが開けた穴からはそれらしき音が聞こえていた。

 結花さんは僕を拘束したりはしなかった。それが何故かと言う事を僕はもう分かっていて、哀しい。きっと彼女は誰かを傷つけることに嫌気が差していて、でもそれをやめることが出来ない環境にいる。そうあって欲しいという僕の願いでもあるけれど、僕はそうだと信じている。だから僕等を殺す事はしなかったんだ。

 僕はマミーモンの空けた天井と床の穴を見た。正直なところこんなことが出来る奴には紫苑と二人で戦っても真っ向からなら敵う気がしなかった。


「僕はあのオクタモンの方にも適う気はしませんがそれでも行きますよね」

「うん、高校球児がメジャーリーガーと戦うに等しくってもやるよ。って紫苑もおんなじ様な事を言うかもね」


 僕はブイドラモンにゆっくりと乗った。それは体の痛みの所為でもブイドラモンの身体を気遣っての事でもあったけど、臆病な事に一縷以上の思いで闘いの時を引き延ばしたかったからでもあるということを僕は告白する。それでもブイドラモンに乗ってブイドラモンが穴の中へ飛び降りたことは確かな意味を持った行為だと思う。

 きっと紫苑なら震えずにこう言ってみせるだろう。


「やるべき事のために大事なものを懸ける事こそ正義だ」と














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盛り上がってきたところでなぁ。とかはもう思わないでおく事にしよう。そしてこの展開もありだとは分かっていた。何しろ最終回直前ぐらいで物語が色々と完全に変容して元の位置まで戻ってくるぐらいが谷口作品のアベレージだから。

逆にもう書く事がない。凄くて恐ろしくて悲しくて何がなにやらって気分だ。まぁ兎に角次回(夏)を待つしかない。さすがにその続きくらいは夏から直ぐにやってくれんでしょうね。でなきゃ24,25話をそれぞれ1時間ずつにしてくれ。続きが気になって気になって。

それにしても一話めと同じ締めを最後にやってくるとはね。普通ならこれが一話目と対比して別の物になってるもんだが、状況が違うというだけでルルの思ってる事も言い方も演出も全部同じだったと思われる。

スザーとルルがもうお互いに敵だと分かってるからのやり取りっぽい部分もなかなか。ああなった以上ルルはああなるしかないのかもしれんし。スザもああなるしかないのかもしれんね。分からん人は兎に角見なさい。

まぁ色々残すところもありつつ最終決戦目前のこのまま打ち切りだったら灰色決着なぐらいだがそれはないから安心してみよう。死後の世界的ななんかへんな場所があるのとそこのマリアンヌとCCは交信できるらしいとかそんな事を今思い出してみた。生きていた頃マリアンヌとCCは友達だったからルルの事を知ってたのか?まぁ何があるやらね。

ともかく楽しみに夏を待つしかないのさ。


どうでもいいが最近夏が一番季節として好きかもしれない事に気付いた。それは多分デジモンの影響が大いにあると思われる。でも結局のところそれぞれの季節の持つ雰囲気はやっぱり好き。要するに日本大好き。イレブンなんて呼ばせないぜ!
言っておくがこのタイトルは嫌な事柄が自分ところに回された場合に使うんだぞ。

って事でバトンが回ってきたのでトワリングして投げようかと思います。ただなぁ、回せる人数おらんのね。まぁ他の方が回したのが回ってくだろうという事で、ここがある意味一つの終着駅って事ではじめに考えた人は諦めてくれ。

では、題しまして

☆★あのこの事もっと知りたい!!バトン★☆


★☆ルール☆★
1 回ってきた質問の最後に‘自分の考えた質問’を足す
2 終わったら必ず誰かにバトンターッチ
3 まとまりのないエンドレスバトンなのでどんな質問を加えてもOK!
4 バトンのタイトルを変えない!
5 ルールは必ず掲載プリーズ
☆★☆★☆★☆


1.そんな6人にバトンを回す(回す人をかいておく)
utさん。他にまともにコメとかしているところがないのでよろしくです。

2.お名前は?:まいむ@ムーン

3.おいくつですか?:二十歳生まれ。

4.ご職業は?:専業魔王。今はジャンジャンバリバリするところで箱を上げたり降ろしたりする仕事をしている。

5.ご趣味は?:本読んだり小説書いたりくらいだろうな。後アニメ鑑賞と映画鑑賞とたまに美術館鑑賞とDVD収集とそろそろまともにCD集めを始動するのと、本も収集したいし、漫画も揃えて、ネットで動画と画像集め、ウィキで調べ物、した後くらいに戦場に出て合間に連ザかエウティタとかやって深夜系の番組もチェック出来る時にしてお気に入りの番組がネットラジオでもやってようものなら毎週チェックし、その手の職人に希望を出したり多少2ちゃんで遊んでみたりして
とどのつまり男の子なのでオナヌーナです。そんな締めかい。

6.好きな異性のタイプは?:一般的には特殊とかどうしてそんな奴とかいわれるような変な女が好きらしいです。分かる人にわかりやすく説明すると水無月ミレ子。

7.特技は?:まぁ取り敢えずニュースで使っているBGMがどのアニメのものだか7、8割位で当てられる。以外と使うパターン少ないし。後声優も最近過ぎないところなら声だけで直ぐ分かる。
そう、所謂ダメ絶対音感。

8.資格、何かもっていますか?:剣道とか書道とか将来役に立つと思ってんのか('□`)g

9.悩みが何かありますか?:DVDとCDと今現在分かってる欲しい物を買おうとした時その値段が既に100万を軽く突破しているというのはどういう事なのか。

10.好きな食べ物と嫌いな食べ物は?:好きなんはこのブログのタイトルを読めばよし。嫌いなんは「これは料理じゃねぇ!」ってくらい失敗したり、喰ったら血反吐吐くようなもの。要するに喰える物であればゲテでもなんでも食いますが。

11.好きな人はいますか:いるなぁ。だからどーした。

12.貴方が愛する人へ:あーなーただーけみつーめてーるぅうう。であったーひかーらー、いまでもーずっとぉおお♪いや、思い出しちゃった。

14.願いが1つだけ叶うなら何を叶えますか?:あれこれ考えるのが面倒だからもう地球を丸ごとくれ。

15.あなたのお気に入りのCMは何ですか?:公共広告機構のネコが出てくる奴。超昔の。

16.最近一番楽しかった事は?:ニコニコ動画の逆再生系を見たのと後ガンプラ劇場。ガンプラ劇場はみんな是非ニコニコ動画で検索して見なさい。凄い才能の無駄遣いだから。

17.最近、調子どう?:ん~どうでしょう。

18.最近の嫌な事は?:最近嫌なことは大体昔から嫌なことですが?

19.よく無くすものといえば?:傘。チャリ鍵。お気に入りの映像が入ったVHS。アダルトビデオ

20.どこいくなにする?:エイトマン。…なんだよ、マッハ8で走るんだぞ。マッハ8で走るとなると一瞬で食料を食い消化してぬんちをしながら出ないとエネルギーが持たないらしいんだぞ。空想科学読本で書いてたんだぞ。

21.今週末の予定は?:日曜が確か早番だったので映画でも見たいね。ほんで戦場行くか。見るだけ。

22.プレイステーション4が間もなく出ますが買いますか??:FF7のリメイクを出すと宣言したら迷わず買おう。

23.お気に入りのDVDは?:カウボーイビバップ天国の扉。メダロットシリーズ。今度手に入れたら時をかける少女もそうなる。っていうか手に入れたアニメやらのDVDは確実に全ておきにになるね。
とライブビデオとかも入手したらそうなるだろうし。要するに全部だ。

24.最近よく聞いてる音楽は??:ベースのミミコピで聞いてたら暫くブランキーをずっと聞いてた。それと最近ガングレイヴを再び見始めた関係でスクービードゥを聞いてるな。

25.好きな漫画は?:よーしびっくりすることを言ってやろう。

ハンターハンターだ!

26.遠投は?:投げキッスなら500メートルいくんじゃね?

27.肩幅は?:以外と良い幅あるらしい。ジャケットが大体毎回肩少ない。

28.親指は?:悪いがドストーレートで一切反る事がない。

29.今あなたの後ろにいる人…だれ?:それよりもアンタの後にいるサムライの方が気になるね。

30.1日だけ何かに変身出来ます。何になって何をする?:某暴君の側近になって取り敢えず殴り殺すか。

31.今、食べたいものは何ですか?:食った事のないもの。

32.今までに付き合った恋人で一番凄かったのは?:よし、この質問を考えた奴を後でぶっとばしてやる。

33.今欲しいものは?:資料+テイマー魂でデジモンシリーズのDVD。当然風呂んティアは抜かします。

34.今何見てる??:今何見てる??って書いてあるところだね。それ以外に何を見るんだよ。

35.あなたの得意な魔法詠唱(呪文)は?:バイオラ。心の篭もってない作品に対してはバイオガまでいきます。

36.何フェチ:く……、あ、間違えた。足(膝から下辺りのライン系と尻から全体とどちらも。)背筋、わき腹、首。後手の形が良い子って良いよね。ただそれも一般から見る意見とは大分違うと思うが。あ、声フェチってダメ?

37.復讐代行屋にタダで仕事を依頼出来るとしたら何を願う?:木下あゆ美の奴か?まぁ色々多いし面倒な気分になるだけだからいいや。

38.あなたはどこから攻めますか?:と思ったら動かないからギアいじったっけロー入っちゃって

もうウィリーさ

名言ktkr。

40.鳩サブレはどこから食べますか?:そんな事言うなら握りつぶすg(`□´)

41.ここまでホントに全部読みましたか??:他の人は知らんがわしは確実に読む。

42.お酒は強いほうですか?:胃に物が入っているとなかなかこないよな。大人数で呑むとやられるらしくこないだ誰よりも早いペースで15本くらいあけてやられました。

43.何歳で結婚したいですか?:100歳。再婚とかもありだろ?

44.回したやつに一言: ショウヘイヘーイ!!

45.オススメ観光名所は?:日光江戸村。取り敢えずぬんちゃくかってこい。

46.好きな焼肉の部位は?:メインになる奴とかそんなに好きで食ったりはしないんだよなぁ。まぁ子袋、ホルモン、ミノ、砂肝、合鴨のなんかいい感じのとこ。くらいかね。内臓多し。あとギアラだかなんだか。

47.1日のうち一番好きな時間帯は?:春はあけぼの。夏は夜11時から3時。秋は昼3時から5時。冬は1時から7時。雨の日は朝9時から1時。雪の日は夜7時から12時。アニメの最終回は星の綺麗な夜か雨の振る朝に見たいと思うのはわしだけかね。

48。今ハマってるものは?:色々動画を見たいん。最近はまり始めたのはさくらん(漫画)とバーテンダー(漫画)と苺ましまろ(アニメ)とコードギアス(アニメ)と機動戦士ガンダム0083スターダストメモリー。いやぁテレ玉様様。

49. 世界の中心で何を叫ぶ?:うぉあーーー!!多分8割がたが先ず手始めにそんな感じで叫ぶと思うんだ。

50.節目の50問めです。:えっ?あっ?あの、そう…だったかな。

はいターイムショック!

みたいな。

51.今までお付き合いした人数は?:だからこの質問を考えた奴は殺す。

52.今年の首位打者予想セ&パ:野球って言えばイチローって言っとけばいんだろ?テレビを見ない時間帯に入るから中継見ないんだよな。後誰の動きが良いとかは分かるが選手の名前と背番号は知らん。

53.昨日の晩ゴハン、何だった?: パリパリに焼いた鮭の皮と茄子とひき肉の片栗粉まぶしてとろみをつけたやつ(うちでよく出てくるが名称知らん)をつまみにビールを飲みましたが何か?

54.今、気になる核兵器は?:別にどうとも。今から造ろうとかしている馬鹿が実は話題になっているとことは別にいるからそっちも如何にかしてほしいね。まぁ核に限らずミサイルだって数撃ったらそれだけ死ぬんだから、結局そこに拘って戦争というのも阿呆らしい。でもアメリカの兵器がどうタラってのは大体戦争する為の言い訳でうちに原爆落とした奴らは生きてても死んでてももう一度殺してやりたいね。んでそれを忘れて靖国分祀どうのとか言うエロイ人とマスコミ(特に朝(うぇ)新聞とか)もぶっとばしてやりたい。

55.よく利用するコンビニは?:セブンイレブン。近い。数多い。

56.今までで一番の思い出は?:嫌な事の方が覚えてないか?

57.帰ってまず何する?:何はともあれ先ずPCの電源を入れる。水飲む。それから煙草吸ったりなんだり。

58.あなた大丈夫?:ここでダメだって答える人の9割は現代子でしょう。…ダメ。

59.ルービックキューブ好き?:好きこそものの上手なれって言うだろ…ありゃ偉い人のついた嘘だ(文章元ネタ、プラネテス)

60.今年かぜひいた?:ひいた。前みたいに数引かなくなったが一回が長いな。

61.どんな大人になりたい?:53歳になって、「あ、俺大人になった」っていえたら大人だがそれがどんな奴だかは知らん。

62.大自然と大都会、どっちが好き?:都会の中にある木々と自然の中にある町並みって好き。

63.幸せを感じる瞬間とは?:楽しいとかは思ったりするが幸せだと思った記憶がねぇんだけど。

64.何を信じて生きてる?:自分。嘘自分もあんまり信じてない。

65.両親に一言: 色々な意味で馬鹿野郎。後父ちゃんには早く再婚相手見つけてほしい。

66.春休みいかがお過ごし?:だっらけてたねぇ。

67.缶のあれはプルタブ?リングプル??:いつだかまでプルトップと読んでいた記憶が。プルタブ。

68.敬語の使えない人から受ける第一印象は?:取り敢えずsageろ。

69.バトンを回した人に一言: ふんもっふ。

70.今後の野望は?:宇宙人とロボトルする。

71.カレー味のうんうん(表現を柔らかくしております)とうんうん味のカレーと両方食える奴が目の前にいたらどんな気分?:ビバスパイス。



って感じ。では次のかたよろしく。自分で回せないからこれ見て回したい人は勝手にどうぞ。
まぁアレがまた煙草を吸ったらしいですよ。今度は戻ってこられんらしいですよ。どっかのアイドルも吸ってたんだっけか?あれキャバ遊びだったか。忘れた。

まぁ取り敢えずは大爆笑だったさ。しかもその状況が面白いよ。なんか「いとこ」だとかいう人と旅行中だかに一服やってたらしいよ。



馬鹿か?

フルスロットルでアイドルのスキャンダルを見せているそれはなんなのさ。もう今更吸うなとも言えんしあれだが、吸ってない時だってこうは思っただろう。
吸うならばれんな。


…まぁそのぐらいのつまんない話な訳だが。
utさんが

昔過ぎる

バトンを回していたのでネタが基本今ないので勝手に乗ってみる。
しかしお互いギリ真面目に更新していたデジモンの感想がなくなるのでネタが更に減りますが。…ってもこっちは勝手に毎日更新してネタねぇよと言ってるだけなんですが。


01]まずお名前を

まいむ@ムーン。
とあるアザラシの名前とこのHNを作った時に丁度お月様が綺麗だったから。変換がめんどい時はまいむちゃんでもよし。

[02]携帯のメモリー件数は?

使用する可能性が殆ど0のメモリーが20くらいと使うのが5くらいと家族が5くらい。いやもう少しくらい多いかもしれない。まぁいずれにしてもメモリーとか別にイラネ。直接交流しようじゃないか。

[03]知らない人に100万円あげるといわれたらどうする?

危険を冒す気はないので先ずマネーロンダリングを先にさせて真っ当なお金に変えてからDVDを買いあさります。

[04]ブリはマグロになりますよね?

それは知らんがマグロはトロになりますよ。

[05]枝豆は乾燥すると大豆になりますよね?

大豆を腐らせると納豆になるって言っているのと同じだな。

[06]人魚はどこ?

質問をする前に「どこ?」ってのが「何処にいるのか」を聞いているのか「何処に特徴があると人魚なのか」を聞いてるのかをはっきりさせなさい!おすぎです!

[07]今まで会った衝撃的な人ベスト5

しんら
サザビー
わかいおさむ
アスラン
グロースター

戦場の絆……いずれも若干駄目なところがある人…

[08]周りを見渡してください。印象に残ったものは??

周りを見渡してください。印象に残ったものは??と書いてある文章。

[09]メルヘンの国ってどんなところ?

ヒント:ヨーロッパリベンジ。初日からテント。
ぐぐれ。

[10]味噌汁にご飯入れる?

冷めた味噌汁に冷めた米を入れて冷酒をぐいっとやると旨いらしいと美味しんぼで言ってました。日本酒は精米歩合が悪いとあんましうまくないです。

[11]去年爆笑したことは?

ある。だが爆笑というのは一人で大きく笑う事ではなく数人が一斉に笑いに包まれることをさすのだ!

[12]今財布の中身は?

お金ならポケットに入ってます。

[13]自問一答

俺って何者?と百回言うとなんか気が滅入ってこない?
夢とか面倒なのでぶったぎり。

[14]鼻かむ時ティッシュ何枚?

3枚前後。漏れたら大変だろ。っつーかなんだこの質問は。ヌーする時に使うティッシュの枚数を示してますとでも言うのか?そうだ、そっちも大して枚数は変わらんぞ。(超被害妄想)

[15]あなたの誕生日は?

1月24日。子供の頃クリスマスプレゼントをサンタ野郎から貰ったら一ヶ月以内にお金ともう一つプレゼントが入る訳だ。

[16]マックに欠かせないものは?

リンゴ。

[17]地球には○○が必要だ!!

定規。

[18]牛のゲップは地球温暖化の原因のひとつらしいですよ?

なんだ排気大国の言い訳か?

[19]おもしろ回答をしてくれそうな10人に回してください

面白回答をしてくれそうな10人を知っていたらもっと人生楽なんですがね。
スペシャルなのでデジモンのみです。


まぁ、

100%想像通りの

ラストだった訳だが


それがデジモンセイバーズクオリティ。ひたすらださく分かりやすくをモットーにしてるんでねぇかと言わんばかりの展開でやってきた話も遂に終わってしまいましたさ。鬼太郎は別に当時から好きだったとかそういう事は一切ないんだが、まぁ週間と元々は細田さんの登竜門的番組であり今回は貝澤さんがやるらしいので見ます。つくづくオタクです。

アドと02とテイマーズを足して3で割ってアレンジを加えた感のあるラストシーン。進化させてないのに進化するのはアドを思い出したし、なんか全進化形態だすんじゃねぇかってのは02だったし、最後の最後でなんか良くわからんが新しい力が出るのはテイマだったし。相変わらず風呂は知らないから言えん。

個別にデジモンと最後の別れのシーンがあるのがアドで、デジモンが帰らなきゃならなくなるのはテイマで、数年後の話が出るのは02で。そして兄貴がデジワーに行くのはタイトルから予測済みでしたが、そこもセイバーズクオリティ。svct

んで各シーンはなんだか今更書くべき事もないような気がするから割愛しますさ。

しかし展開もカット割りすら何から何まで想像した通りってのはかなり面白いような。久々にダイナマイトさんが出てくるのも途中で気付いてしまった。しかしそれを考えると一番印象が薄かったのはデカ緑か・・・?まぁよしとしよう。

まぁ元々そういうもんだと途中から割り切ってみていたからあれだが、感動の余地がない程に色々な物の焼き直しみたいな形になったな。それがまたセイバの楽しみどころだったんだが。
もうオヤジが生き返ろうとバンチョーが卵からやり直していよーと好きにするがいいさと。レジェンズなんて一回時間巻き戻したくらいだしな。この程度で驚き展開とかご都合とかもう言わないぜ!

だが最後に進化せずにアグモン火の鳥はなかなか格好良かったな。あんな風になる話もどっかで見たことあるんだがそんな事は口が裂けても言えない。そしてやっぱり止めは兄貴か。



うむ、またデジモンがアニメで復活するのを待っているよ。漫画の方は正直…なんていうか…飽きてしまって…。まぁ惰性できっと見るとは思うが。瞬間を写すだけならレベル高いだろうけど全体の動きが上手くいってるかというと若干疑問を持ってるしなぁ。まぁいいだろう。

そしてズィードガルルモンとなんだビクトリーグレイモンだっけ?

別にグレイモン種とか出しすぎてむかつくから見たくも使いたくもないとか言わないよ。あんなに色々現代的な飾りをつけなくても元祖がいかに格好良くて強いか証明してやるから。

ただ、グレイモンが剣持ってんのはなんかへっぽこだけどズィードの背中キャノンはちょっと惹かれる。絵だけはいつも格好よさげなんだもんなぁ。そこばっかに力入れんでマイナーなのも造れ。
やばっ……これはやばい。あれだ、あれに似てる。フジコAかFかどっちかが書いた神様の力を持った少年の話。自分の願いを何でもかなえられて、でも叶えと思った願いは取り消せなくて。それで…ってやつ。

そうならなくて済んだって思ったからルルはあんなことを口走ったんだろうきっと。そういう風にするのが上策と思ってたから思わず言ったんだろう。冗談めかしてでも若干そういう本心があったんだとたまにルルは言うときあるし。自分だけで抱えていたくないから、しかし本心を悟られてもいけないからああいう形で。

ギアスは強化された。オンオフはもう利かない。今度のギアスは一瞬でも終わらないような気もする。死ぬまで仮面で顔を隠さなければならないのかもしれない。

ご都合主義と言うかもしれんが、しかし上手く行く方がご都合主義なのかもしれんし。まぁわしが言うと若干信者的擁護意見になってしまう訳だが。もう後には引けないんじゃない。はじめから後に引けなかったんだ。何度やり直したって結局同じ人間の選ぶ選択肢はきっと同じで、どんなに時間を巻き戻しても進む道は多分同じ。

今まで殺したのは殆どがどうでも良い奴だから今回だけが特別なんじゃない。いくらだってギアスの力で奪ってきた。だからもぎ取る、別の道への帰還の術も。後にも退けない。失敗も許されない。

そもそもみんな意識してなかったかもしれんがはじめから全部決まってたろ。だって途中でやめたなんて許されない道なんだから。実際に行動したのはユフィとブリタニアでも、その命令を下したのはルルーシュ自信だ。学園内とは違う。ミスしたら誰かが死ぬ。ルルーシュのギアス。その力は絶対遵守ではなく、最早隷属だ。


とか変な文章でガス抜きしないといかんくらいにやられぎみの現在です。あーやられてる。
今回ちょっと長め





「あまり俺をなめるな。さぁ始めようか」


 とは言うもののやはり紫苑は息も絶え絶えといった様子だった。顔だけは余裕の表情で額に浮き出る球の汗を拭った。


「驚いたな。やはり思うが君は本当に人間か?」

「姿見てわからねぇかってんだよ。どいつもこいつも。これだから馬鹿は嫌いなんだよ、いいかげん死ね!本気で死ね!」


 紫苑は掌の指先をソーサリモンへ向けた。それは宣戦布告、開戦の合図でイッカクモンはすぐさま紫苑の怒りの矛が向かう先を目指した。

 飛んできた炎弾を交わし続けてきた氷弾を長い牙で砕き、飛び上がって空中で爪を振り下ろした。勿論着地の際に相手の方へ身体を向けることも忘れなかった。

 ソーサリモンは有無を言わさず始まった戦闘に動じず、イッカクモンの爪を受けるそぶりを見せることなく弾き返し、振り向きざまに氷弾を放った。イッカクモンはそれを当然に用に爪で砕く。速度は計り知れないほどのものだというのに。

 フレイウィザーモンに飛び掛られる前に角を発射し、距離をとらせ凍てつく息吹を吹いた。一瞬フレイウィザーモンがマッチのような形をした杖を構えかけたが、先にソーサリモンが前に出て氷のエネルギーの膜を張ってそれを防いだ。

 紫苑は休まずイッカクモンに攻撃の指示を出した。イッカクモンはそれに堪えるため凍てつく息吹を吐き出しながら角を発射した。息吹の対応に手一杯のソーサリモンの代わりにフレイウィザーモンがイッカクモンの角に向かった。

 氷の膜を突き抜けてきた角を杖で破壊し、角の中のミサイルが爆発を起こす前に炎の膜を張り爆発を抑える。予め解ってはいたことだが紫苑はイッカクモンを戦わせてみて改めて敵が並のデジモンではないことを認識した。


「二種の技を同時に出せるとは驚きだ、なぁ兄者」


 着地しミサイルの燃えカスを払ったフレイウィザーモンが言った。


「アナログの脅威はそれほどの力をデジモンに与えることにある。それに彼を襲撃したときにそれだけでは済まない力が備わっていることを理解しただろう」


 イッカクモンが氷息吹を吐き終えたのを確認し、氷の膜を消し一歩下がったソーサリモンがピシャリと返す。


「もういっぺぇ、いでみっが?」


 イッカクモンの問いかけにシオンは黙って手を出して掌を見せた。それはストップ、もしくはウェイトを意味する。

 紫苑は剛毛で直毛で乱れっぱなしの小汚い髪の毛の中に埋まったゴーグルを静かに装着した。そして何か苦虫を噛み潰すような、久しぶりに会った友人の名前を思い出すような表情をして軽く首を傾げながらハッキリと言った。


「お前等のその力、敵の攻撃を跳ね返す力。それはあれだろ……あっと、え、あ、そう呪術系の……そう、古代デジタルワールドの秘術だよな、古代式(エンシェント)のデジ文字で印を結んで、呪いっちゅーか力を跳ね返す呪術守護の力だよな、確か」


「―――――驚いた、そこまで博学だとはな」


 ソーサリモンもフレイウィザーモンもひどく驚嘆した表情だった。表情からしてその驚きは相当なものであることが推測され、それはつまり紫苑の言っていることの殆どが正解であるということをも示していた


「知っているのはそれだけじゃない」


 紫苑は二人を指差した。


「そいつはファイアウォールの向こう側の知識だよな。通常の資料には載ってないはずだ。お前等が直接取り出したってこともなくはないが、普通に考えたら在り得ないだろう。ああそこは楽にゃ行けん場所だからな。…するとお前らスイーパーの頭、ま実際はお前等がスイーパーだなんて俺は一縷も思っちゃいないが、それは置いておこう。んでとにかくそいつの力か若しくは……あー、若しくはデジドラモンの恩恵ってやつかねぇ」


 マントや帽子でその表情はよく読み取れなかったが、確実にショックを与えた手ごたえを紫苑は掴んでいた。他人を貶めたり驚かせたりするのはひどく楽しいものだ。だからこそ予定調和の、やらせ色満開のドッキリも視聴率をとるのだ。


「あのお方の名前は軽々しく口にしていいものではない」

「ファイアウォールの向こう側へ行ったのか。『女王』が気に掛けるはずだ。その知識はよもや君が持っていて良いものではない」


 それぞれ別角度からの指摘が入った。だが紫苑には相手の反応だけ見られれば十分だった。


「俺が思っていたことは真実だったようだな。それに『女王』…か。そっちの疑問も俺の考えどおりっぽいな」

「君が女王について何か知っていようとも『女王』が君を生きたまま連れてくるように言っていたとしても君は此処で死ぬべきだ」


 ソーサリモン達は杖を構えた。ソーサリモンが前に出で、フレイウィザーモンが後ろに下がり陣形を構える。紫苑は肩を回しイッカクモンに囁いた。


「ゴマ、赤い奴がデカめの技を出してくるみたいだが、この場合はどうしたら言いか解るか?」

「技出す奴ん遠距離攻撃っしょや」

「正解だ」


イッカクモンはフレイウィザーモンに向け角を射出した。ソーサリモンはその角に向かって杖を翳し氷のエネルギーを散布することで角を凍結させそのまま杖で叩き落した。イッカクモンは角を発射した直後に走り出していた。

 巨体に象徴的な白い毛をなびかせながら突進するよりも早く紫苑はイッカクモンの背中に飛び乗り、そのまま頭まで駆け上がりポケットから取り出したナイフをフレイウィザーモンに投げつけデジヴァイスの解凍ツールのシステムを起動した。

 巨大化した、基、もとの姿に戻ったナイフ、つまり片刃の獅子王丸と呼ばれる剣はソーサリモンを出し抜きフレイウィザーモンに襲い掛かった。呪印を結び呪文を唱えていたフレイウィザーモンはそれをいったん中断して獅子王丸を杖で下から叩き軌道をそらすことで回避した。


「よっしゃ、予想通りだ。続けて行け」


 シオンの指示にイッカクモンは突進を続けた。途中ソーサリモンが氷弾を何発か放って来はしたが、精度も威力も無いお粗末な手数だけの技にイッカクモンが怯む訳もなく多少のダメージを受けながらお構いなしにフレイウィザーモンにたたきつけるように氷の息吹を吹き出した。

 フレイウィザーモンはそれを炎の幕を作り防いだ。しかしその隙にイッカクモンは強烈な爪での攻撃を繰り出した。高い熱を持ったイッカクモンの爪には炎の幕は通用せず、古代の秘術の力に負けず力押しで突き出し、それごとフレイウィザーモンを張り飛ばした。

 イッカクモンはフレイウィザーモンを飛び越して後ろに回った後片側の爪を支点にして体を反転させ角を三発発射した。攻撃態勢をとっていたソーサリモンは突然の攻撃に反応が遅れ、辛くも一発目の角は封じたものの残りの二発にマントを取られ、ワイヤーフレームの壁に貼り付けられた。

 フレイウィザーモンの起き上がる暇なくイッカクモンは長い牙でフレイウィザーモンに喰らいついた。辛うじて頭は胴体と繋がっていたが帽子とゴーグルは破られ砕かれた。


「待て!待ってくれ!」

「古代の秘術にも弱点はある。その対策をしなかった手前ぇらの負け。オールオーバーさ」


 弾かれてそのままになっていた獅子王丸を拾ってナイフサイズに戻しポケットに仕舞いながら、軽く嘲笑って言った。戦闘を終えた紫苑は腰に手を当て背中を丸めてだらだらとしていた。イッカクモンの角はフレイウィザーモンの喉元を捉えていた。


「君がここまで強いなんて聞いてないぞ」


 今までと態度が一変して恐怖におののいたフレイウィザーモンが叫びだすと同時にイッカクモンの角が震えるその喉を一突きに貫いた。イッカクモンは貫かれたフレイウィザーモンのデータの残骸をうざったそうに振り払いながらすでに先を歩いていた紫苑の後についていった。振り払ったデータの屑は散り散りに分解され消えていった。


「面倒な戦いをさせやがって。つまらねぇんだよ」


 腕を組んで、猫背のまま首だけを前に突き出し捻りあげるようにソーサリモンを睨み付けた。口元は笑っていたが、眉間にはしわが寄り汚らしく唾を吐いていた。一瞥すればそれはヤンキーやチンピラの類にも見えなくは無かった。


「古代の秘術を使うためには必ず印を結んだものを身に付けにゃならねぇ。んでま手前っぇがマントで弟さんがゴーグルってこったろ」


「不用意にこの角を抜こうとすれば炸裂する。かといってマントを脱いで勝てる相手でもない。君の判断はすばらしいよ」


「今褒めるくらいなら前もって対策しておけよ。それもしねぇで挑んで来やがって。驕った馬鹿は嫌いなんだよ」


「何を言うか、君がよもやそんな知識を得ているとは思わないだろう。それに君の言ったことはこの秘術の唯一の弱点だ。それをカバーする策などあるはずがないだろう」


 紫苑はビッとソーサリモンを指差しながらだるそうに軽く言い放った。それに対してソーサリモンは苦虫を噛み潰したような表情で人間ならば唾を飛ばす勢いで喋った。それもそのはず。結果的にソーサリモンは紫苑に不覚をとる形になったが、十分に押し切れるだけの「術」ではあったのだ。


「何言ってんだよ、重複補助で印を二つに分けて書けば多少威力は下がるが少なくとも俺にやられたようなことにはならなかったろ。でなきゃお前ら二人いるんだから前衛後衛で役を分けりゃ片一方に呪印を任せてもう一方が守りにまわりゃいいじゃねぇか」


 あっけらかんと言う紫苑にソーサリモンは目を見開いてあっけに取られた表情をした。


「…敵わない訳だよ。凡庸に思いつくはずも無いことをすらすらと。さて、君の知りたいことは何だね。敗者にはその責務があるだろう」

「わかってんじゃねぇの」


 鼻で笑いながら笑みを浮かべた。そしてすぐにその表情を厳しいものに戻した。


「葉月はどこだ」

「順当にゲートを、転送装置を進んでゆけばいずれは見つかるだろう。途中に門番がいるということもないだろう。元々その予定は無かったのだしね」

「というよりお前らで止められなきゃ諦めるが早いってことなんだろ。思うに女王ってのの直属の配下のなかじゃお前がトップで、駄目なら本人がどうにかするってなこったろうな」


 誘うように紫苑目はソーサリモンの瞳を捉えた。核心を突いたその言葉でソーサリモンの目が虚ろに揺らいだのを紫苑は見逃さなかった。ソーサリモンは嘲笑(わら)った。

「さてもう聞きたいことも無いだろう。ここから先は勝者の権利だが、できることなら私を見逃す、ということをしてくれないか。ご覧の通り私に抵抗の意思は無い。死神のめがねに適う程の価値も私には無いだろう」

 突然のソーサリモンの申し出に紫苑は別段驚いた風も無かった。命乞いなんて珍しくも無い。それにあの弟にしてこの兄ということもある。そんなことを言いたそうな目でゴマモンに戻ったイッカクモンに合図すると、何も言わぬまま転送送致の方へ向かって行った。


「紫苑いいんでの?」

「知るかよ」


 紫苑とゴマモンはそのまま転送装置に足を踏み入れ消えた。


「―――――ふぅ…。彼もとんだお人好しだな。あんな子供を死神と称すとは女王も人が悪い」


 ソーサリモンは嗤いながらそう呟いた。同時にわが女王が彼に倒されることも無いだろうとも思った。

死神、とはソーサリモンが事前に女王によって与えられていた情報のうちのひとつであった。彼ならば同じ死神すら倒せるとソーサリモンは聞かされていたが、戦いの中に手加減に値するようなものを見たために抵抗をやめ一か八かの命乞いをすることに決めたのだ。

 ソーサリモンはマントを脱ごうと肩の止め具に手をかけた。呪印の内容は頭に入っていたし、触れれば爆ぜると分かっていてイッカクモンの角に触るわけにもいかなかった。

 変化はそこで起こった。ソーサリモンが止め具をつかんだ瞬間にマントが自身を貫いたイッカクモンの角を刺激した。角は四方に分解し、内部の本体であるミサイルを露出させた。そしてそれに連動して逆側の角も同様にミサイルを分離させた。

 ソーサリモンが身動き一つとる間もなく。かすかにその角の動きを認識する間にそのまま真っ直ぐマントへ向かって行った。すべては一瞬の出来事だった。

 最期にソーサリモンは思った。紫苑はやはり女王の言うとおり死神だったのだと。紫苑は始めから全て分かっていたのだ。死神が人の死期を知るように。

 彼は死神とほとんど同じようなものよ。本当の顔は見せずに仮面を被り、敵意を露わにして近寄る者にはその首に鎌を掛ける。彼はそういうアナログだわ。決して侮らないほうがいい。

 背中を焼け爛らせて中を舞うソーサリモンの耳にそんな声が聞こえた気がしたが、それはもはや誰にも分からないことだった。

 これはソーサリモンには知らされていない事実だったが、紫苑は自らを死神と揶揄されていることを知っていた。そしてそれは紫苑が最も嫌う呼ばれ方だった。しかしもしソーサリモンがその事実を知っていたとしても紫苑がソーサリモンを見逃したかどうかは定かではなかったが。




 紫苑よりも先に合流することのできた結花さんの話によると、僕らは個別にそれぞれムゲンマウンテン内部のどこか別の場所に飛ばされ敵を宛(あて)がわれたようで、由香さんも既に何人かのデジモンと戦いおそらくは紫苑も戦っているだろうということだった。

 ソーサリモンは紫苑が目的であったような口振りだった事から推察するに、紫苑が一番強い若しくは相当量のデジモンと戦わされるであろうこと用意に推察できたけれど、「俺を心配するより葉月の方をどうにかしろ」とも言いかねない人なので取り敢えず二人だけ出先に進もうと決めた。仮に紫苑が捕縛されてもその時に僕ら二人が控えていれば問題は無い。そう、控えていられれば問題は無い。

 肩を並べて歩くことで改めて思ったことがある。

 結花さんは年齢の割に思考がしっかりしていて大人びている、というならばむしろ大人顔負けでもあると思う。何があるとも分からない敵地をしゃんとして歩き、何にも注意を怠らないその姿は毅然と鞄一つで大手企業と取引せんとするキャリアウーマンのようにも思えた。まだまだ女性は社会的地位が低く取られているけれど。

 決断の早さや意志の強さも並ではない。結花さんの決断は誰もが正当な判断と認めるし、それどころか困った時は結花さんに指示を仰げば大丈夫だと年の低い団員でなくとも依頼心を持ってしまいそうな程で、デジモン戦闘(バトル)の実力にいたっては創立以来の団員よりも優れているのではないかと思ってしまうほどで、とにかく群を抜いている。後、普段の怖さも。

 けれど僕には時々結花さんがひどく幼く見えるときがある。それはあの童顔に加えさっぱりとしたショートカットのヘアスタイルの所為であったり、服装が紫苑同様ラフだからだったり、ちょっとばかり可愛い笑い方だからだったりするのかもしれないけれど、年下の僕よりも彼女のほうが年下に見えるぐらいだ。

 紫苑と結花さんはどことなく似ている雰囲気がある。天賦とも思えるバトルセンス、あらゆる方面での博学さ、用心深さ、そしてそれを示すようにいつでも張り詰めた心を持って何事にも臆さず、弛まず挑む。強い精神の塊のような存在感。

 「俺は周りの人間を信用したことは無い」と、紫苑はよく口に出して言うけど、実は結花さんの方が、それが顕著に現れていると思う。僕の頼りない二つの目から見れば紫苑のことも信用していないし、ほかのQDCの偉いさんがたも信用していないし、けれど自分のことは信用させようとしていて、それで僕のことも信用していない。だから恐らくデートに誘っても首が縦に振られないんだろうな。

 なんとなく今までよりも強くいやな感じがしたのは五回くらい転送装置で跳んだ後からだった。温度、湿度とも変わっていないとデジヴァイスには表示されているのに、異様に温度が下がったように僕の毛穴は竦みあがってぷつぷつと閉じていった。

 ワイヤーフレームの緑のラインが何かに遮られていた。人型で包帯を全身に巻きつけ小脇に松葉杖を抱えた何かに遮られていた。薄気味悪い笑顔を暗闇に浮かべながら胡坐を掻いている何かに遮られていた。ブイドラモンも怯える程の何かに遮られていた。

 なんとなく、強烈な誘惑が僕の頭を過ぎった。けれど転送装置は触れた対象を一点の座標にしか飛ばすことができず、逆の向きにもう一つ転送装置が無ければ引き返すことはできない。そして転送装置は何かの向こう側にあった。気合を入れようと握った拳がうまく開かなかった。

 結花さんは毅然とした態度を守っていた。おおよそ鳥肌なんてものをクリスマスの七面鳥や中華料理店の北京ダック以外にみたことは無いのではないだろうか。彼女のノースリーブのしたに着たくらい半袖のアンダーシャツの先は綺麗な白い色をしていた。

 疑る心が一番強いのは僕かもしれない。

 昨日紫苑が僕に聞かせた、本当は聞かせてはいけなかったかもしれない独り言の内容を思い出した。結花さんが毅然とした態度でこちらを向いた。




「柔軟は特に念入りにやっておけよ。単なる怪我で済みそうな戦いでもないからな」

「気張るべさ」


 腕を十字させたり肩を回したり屈伸したりして紫苑は十分に体を温めていた。彼には既にこれから起こる戦いが極激しいものになるだろうという見当が付いていた。


「なぁ、ゴマ」

「なんだべさ」

「これが終わったら一日くらいは遊んでやろうか」

「本当だべな?」

「偶にゃ休息とかいうやつも必要だろ」


 紫苑はしゃがんでゴマモンの頭を撫でた。ゴマモンは喉をごろごろと鳴らせて嬉しそうに紫苑の手に擦り寄る。紫苑は少しだけ笑った。

 紫苑の訪れた最後の部屋はこれまでと違い、真っ白で広い空間になっていた。戦いやすいようにしたのか、はたまた単なる手抜きか、その真実の部分は分からないが、とりあえず血が流れればよく映えそうな感じがした。

 紫苑は立ち上がって振り向いた。もう準備は終わったのかしらという視線を浴びながらゆらりと腰のデジヴァイスに手を掛けた。そして言った。不意に見せた子供の表情は無くそしてそれは叫びに近かった。


「葉月にお守りをつけるときに紳が一番近くにいたからとお前は言ってたよな。でもよく考えりゃ紳が一番近くに居たなんて分かる訳ないんだよな。紳から随時連絡が入っていたとしても葉月の場所は分からなかったってことだ。つまりはハナッから俺をここに呼ぶために監視してたんだろう。それもついでに紳を封じるために一旦はかち合わせてから拉致りやがってよ」


 紫苑は一歩ずつ進みながら続けた。デジヴァイスを構えて。


「恐らく葉月を逃がしたのはお前だ。俺を囮に使おうとしたのもうえの判断じゃなくて手前ぇの判断、いや独断だろ。…俺はお前を信用はしていなかった。だがいいやつだとは思っていた。それは本当だ」


 紫苑はいつかに見せた激昂の表情を見せた。だがもはや力の込め方は常軌を逸しているどころではなかった。進化したイッカクモンもここまで憤慨している紫苑を見たのは初めてだった。紫苑は大きく腕を振った。その手は静止できないほどに怒りわなわなと震えていた。


「俺はいい。もう知ったこっちゃない。だが紳まで、あの正直バカまで騙しやがった!そのうえQDC所属のデジモンをバグにかけて使いやがって。俺が戦ったやつらが誰高ぐらいは分かるんだよ!お前はなんてことをしてくれたんだ!女王様よぉ!あぁ!葉月をどこにやった!答えろ女王!」


 紫苑は手を前に翳した。その合図に合わせイッカクモンは角を発射した。それは女王の元へ届く前にオクタモンの触手に絡め取られ、地面に叩きつけられて炸裂した。


「やっぱり貴方もこちら側には来られないのね。ここまでお膳立てしてのデートだったのにね」


 女王は静かにそういった。






 疑る心が一番強いのは僕かもしれない。

 昨日紫苑が僕に聞かせた、本当は聞かせてはいけなかったかもしれない独り言の内容を思い出した。結花さんが毅然とした態度でこちらを向いた。


「演技はもういいですよ結花さん。僕はもう疑るのはたくさんだ。はっきりさせましょう。貴方がスイーパーの頭なんでしょう。それをはっきりさせないと葉月ちゃんを助けた後にデートに誘うことができないです。今度こそデート付き合ってもらいますよ」





「やっぱり貴方もこちら側には来られないのね。ここまでお膳立てしてのデートだったのにね」


 結花は静かにそう言った。









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 転がってゴーレモンの股下に飛び込むと抱えていたゴマモンを顎目掛けて投げつける。ゴマモンのパンチが真下からゴーレモンの顎に見事にクリーンヒットして高熱ガスの息吹、カースクリムゾンは口内に充満し岩石の歯がぶつかり合い火打石の如く火花を散らすのを合図に炸裂した。

 爆炎の中空中では二匹のサンダーボールモンが旋回しゴマモンを狙っているのが紫苑には確認できた。紫苑は再びゴマモンを抱え一旦その場を離れようとした。それを逃してくれる慈悲は無いようで、サンダーボールモン達は額の雷マークを激しく発光させると全身を帯電させ突進してきた。

頭上から降り注ぐ二匹のサンダーボールモンを一匹は身を後方へ反らすスウェイバックで交わし、もう一匹はスウェイバックから一歩引いて体勢を直し絶縁体であるゴムの靴底で正面から来たところを踏みつけて飛び越えた。


「おいらにいかせでくれよ」

「数の多さと相性の悪さを考えろ。今はまだ攻める時じゃねえ」


 サンダーボールモンを飛び越えた先に待ち構えていたゴーレモンの巨大な掌が紫苑を潰しに掛かってきた。紫苑としては左右に交わしたいところだが、左右にはリボルモンが銃を構えていて迂闊な回避行動は出来ない。仕方なくダメージ覚悟のバックステップで後ろに引くと直ぐにゴーレモンのごつごつとした岩肌の手に飛び乗った。

 幸いサンダーボールモンの雷攻撃は喰らわなかったが、ゴーレモンの腕が紫苑を天井まで跳ね上げ、紫苑は天井へ強かに叩きつけられた。更にこのまま落下すれば地面にてもう一度ダメージを受けとどめとばかりにゴーレモンの足が迫ってきたところだろうが、意識を失う間一髪のところで後ろ足で紫苑の右腕にしがみ付いたゴマモンが天井の暗がりに爪を突き刺し、紫苑の落下を防いだ。消化しかかっていた昼夜兼用の握り飯が危うく迸る勢いで吐き出されるところだった。


「助かった、悪い」

「なんてことねべさ」


 敵の上空に逃げたことで周りを見渡し易くなった。とはいっても敵は飛べる者、飛び道具を持つ者、天井まで背が届きそうな者と、大した時間稼ぎになる逃げ道ではないため、戦況の確認を紫苑は急いだ。敵は残り十体。それに倒した一頭のゴーレモンでさえじかんが経てば復活する可能性を秘めているのだから実質は十一体とほぼ変わりないだろう。5分少し戦ってこの結果だ。とはいえこちら側が成長期であることを考えると十分か。

 これほどの頭数がそろい尚且つ完全体もいるとなれば迂闊に体力を浪費しても仕方が無い。それに此れが終わったあかつきには上位のデジモン二人と戦わなければ成らない。ソーサリモンとフレイウィザーモンは簡易式転送装置の前に立って研究者よろしく捨て置かれたモルモット戦闘実験台を眺めて笑みを浮かべていた。

 唯一の救いは今戦っている相手が恐らくはバグによって操られているという事実だ。それは正常なデジモンとは僅かな違いしかないが、微かな変調を読み取る事が出来てこそ一人前のデバッガーと言われる。数分の攻防の中でその微かな変調を読み取られたのは紫苑自身が力を付けてきたからだろう。ともかくそれは紫苑にとって救いとなった。巣さえ駆逐してしまえばそれで勝ちなのだから。そして巣の位置も検討はついていた。

 二匹のサンダーボールモンが紫苑達に向かって再び突撃してきた。紫苑はゴマモンの胴体をしっかりと掴み天井に足を掛けて逆さまになりゴマモンの爪を引き抜いた。


「マーチングフィッシーズで横に飛べ」


 ゴマモンの必殺技マーチングフィッシーズは異空間からゴマモンの子分である魚達を呼び寄せ攻撃する技である。本来は直接魚達が突撃して敵を攻撃するのだが、紫苑の場合はその用途を多様化させていて、単なる攻撃技としては使っていない。魚を一塊にして攻撃を防ぐ盾とする場合。地面や壁等に衝突する際に衝撃吸収剤として敷く場合。

そしてその中でも一番良く使うのが空中や体制を崩された状態での移動に、魚達を一本の鎖と化して使用する場合。移動できない空中や回避しきれない広い攻撃範囲のある技には魚の鎖を離れた場所に打ち込んで魚に引き寄せてもらい、それで回避する。単なる戦闘能力だけ抜粋するとゴマモンは成長期ではさほど高い能力を持つデジモンではないためこういったトリッキーな技は自然に欲するところとなり使用頻度も高くなる。

 魚の鎖を天井に噛み付かせターザンのように横へサンダーボールモンの攻撃を逃れる。ある程度反動が付くと紫苑は直ぐに魚の鎖を放した。地面に着地する際に二、三回転がって衝撃を散らすことを余儀なくさせられたが、それでもデジモンの群れからは離れることが出来たのなら相応の痛みだ。もう一匹のサンダーボールモンは残された魚の鎖に衝突し、鎖は炭の如く黒い塊となってしまった。ゴマモンは心の中で小さく冥福を祈った。


「ありゃどうすんでの?」

「俺に任せろ、考えがある」


 紫苑は不敵に笑みを浮かべた。そして再び状況を見直す。前方には十体のデジモン勢、後方にはソーサリモン達、そして…。やりようはいくらでもあるもんだ、紫苑は思った。


「どっかの誰かが言ってたな」

「なんと?」

「逃げるが勝ちってな」


 言うが早いか紫苑は踵を返してソーサリモン達のほうへ向かった。しかし流石は重役クラスといったところで、紫苑の行動にいち早く気付き直ぐに迎え撃つ体勢を作った。しかしそれでも所詮紫苑にとっては一支部の課長と同じようなもの。ゴマモンのマーチングフィッシーズで呼び寄せた魚を手元から伸ばして高飛びの棒にみたてソーサリモン達を飛び越えた。狙いはその後ろの簡易式の転送装置だ。

 逃げ切った、と紫苑に一瞬の緩みがあった。逃げ切る数歩の間に前に回りこんだサンダーボールモンが突進の一撃を仕掛けてきた。攻撃自体はゴマモンが間一髪で受け流すことが出来たが、身体から流れる電流の余波は二人とも食らわざるを得なく、数秒の間電流が紫苑たちの身体を支配した。

早くも本日二回目に意識が一瞬飛びかけていた紫苑は強い意思でそれを跳ね除け、動き始めようとしたそのとき既にゴーレモンの巨体が拳を振り上げて紫苑の上空から降ってきた。避けられるか否かの微妙なところだったが紫苑はゴマモンを前方に放り投げ自分は後方へと飛びなんとか危機を脱した。此れが人間相手ならここでカウンターのアッパーを繰り出すところだが、どうやら顎に届くまでに五メートルはあるらしいので諦めた。

 しかしどうやら冗談を言っていられるような状況でも無いようで、続けざまにゴーレモンの肩へ飛び乗ったリボルモンがコルトの名の付くリボルバーを振り翳し三,四回程ハンマーを起こしトリガーを引く動作を繰り返した。弾丸は紫苑のごく近くを通り過ぎた。

 紫苑はすぐさま転送装置のほうへ向かった。後方には雷球体が四個、岩石の塊が二個、どでかい拳銃が一丁迫ってきていた。ほんの数歩が逃げ切れなかった。風圧でまたゴーレモンが突進してきている事がわかった。


「馬鹿がッ」


 それこそ紫苑の狙いだった。紫苑はその場で直ぐに亀の子になった。そしてデジヴァイスを握りなおしゴマモンを進化させた。


「ほなさいなら!」


 「ほ」の後の「な」の調子が上がる明らかにおかしな関西弁と共にゴマモン、基(もとい)イッカクモンが横綱よろしくその場に居た全員まとめて転送装置へ寄り切った。転送装置はそれ自体の一番上の転送板と呼ばれる内部からの光で発行している板を踏むことで起動するタイプのものらしく、ゴーレモンの体重で押し込められた板が転送の意思ありということで計七体のデジモン勢を転送装置の先へと送り込んだ。


「自己判断できん阿呆に負けている場合じゃねぇんだよ!」


 紫苑はイッカクモンの背に飛び込み、イッカクモンは踵を返して残三体足す事の気絶者一名に向かった。狙いはテッカモン只一体のみだが流石にそういうわけにも行かず、先ずは頭部のキャノンと腹部のリボルバーを放ってきた立ちはだかる重装備、片一方は銃装備のデジモンを倒さねばならなかった。だが、今のイッカクモンの防御力なら炸裂するキャノン砲にさえ注意すればさしたるダメージは受けないで済みそうだった。


「リボルモンは任せろ」


 紫苑はイッカクモンの背中から飛び降りリボルモンの目の前へと降り立った。すぐさま銃を構えようとしたリボルモンに対し直ぐに腕を取り後ろに回りこみ捻り上げた。しかし相手はデジモンそんな手が通用するわけも無く、紫苑にとっては恐ろしいまでの腕力で紫苑の身体を強引に自分の前へと引きずり出して反対側の手に持っていた銃のグリップの底で横っ面を叩き払った。

 しかしこの戦いのみで既に二回以上は死に掛かっている紫苑はそれに怯むことなく離さずしがみ付いていた方の腕の下を回り本来なら腕が折れる程の力で関節の動きとは逆の方向へ力を込め、更に腕を絞り上げ力の緩んだ手からリボルバーを奪い取った。

 その瞬間既にリボルモンのもう一つの銃は紫苑の脇腹に宛がわれていたが、同時に紫苑は奪い取った銃を放っていた。狙うどころか奪った当にその瞬間だったので完全に見当違いの方向へ弾丸は飛んでいったが、反動で紫苑は倒れ込み、直後に放たれた弾丸は紫苑の身体に当たらなかった。

 紫苑は倒れ込んだ、と言ったが実際には完全には倒れず、そのタイミングで地面に手を付き、後転しその反動で直ぐに起き上がると直ぐにトリガーを引きその後で撃鉄を引く、所謂ファニングと呼ばれるリボルバーでの連射を可能にする射法で全弾撃ちつくした。当然紫苑に射撃経験は無いが、この距離では外しようが無く弾丸は全て腹部のリボルバーの銃口の中へと吸い込まれていった。

 ならば当然同じ条件であるリボルモンは紫苑に弾丸を当てて然るべきだったが、僅かに反応が遅れたのと紫苑の身体の軽さで、コルトの反動で後ろへ飛んでしまうためその分の射撃角度を修正する前に全弾を腹部に受けてしまった。

 だが計算違いだったのはリボルモンだけではなかった。紫苑の予想というか理想ではリボルモンの銃内部の弾丸に当たればそれに連鎖して内部の火薬が反応して炸裂しリボルモンを倒せるのだったが、実際にはそれ程やわなものでもなく案外リボルモンは持ち直していた。

流石に弾丸五発分のダメージのある腹部の巨大リボルバーは使わないだろうが、まだ残り五発のコルトが残っていて、それだけで人間の紫苑には十分なものだった。普通の銃でさえ致命傷なのに。

 いつでも可能性一桁%の綱渡りの如く渡って来た紫苑は今度も僅かな可能性に掛け持っていたずしりと重みのあるリボルバーを投げつけようとしたその時に、リボルモンの頭上にイッカクモンの巨大な熱を持った爪が迫り、一撃でその身体を拉(ひしゃ)げさせた。

見れば既にタンクモンの姿は無く一撃の下に消滅させていた事がわかった。成長期、成熟期間での能力値の上がり方が類を見ないのもゴマモンの一種の強みだった。


「右ちょい前、多少上にメガフリーズだ」


 紫苑は一瞬も気を抜くことなく襲い掛かってきた残りのテッカモンへカウンターの冷気攻撃を支持した。イッカクモンもそれに相応する速度でエネルギーを溜めながら指示された方向へ向き、ジャストタイミングで冷気を放った。限りなく近づいていたテッカモンは急な攻撃に身体を下降させて回避した。

僅かに上方を狙ったためテッカモンは簡単に下へ回避することが出来たが、最早既にルートは出来上がっていた。いつの間にかイッカクモンの腕にまで移動していた紫苑を、その腕が持ち上げ、テッカモンに近くなった時点でデバグシステムを起動させた。紫苑の手によって飛び散ったバグは地面に付く前にデジヴァイスに吸い込まれ然るべき所へと転送された。

結局紫苑が苦労したのは成熟期勢で、テッカモン自体にはさして時間を割かなかった。というのも長期戦になれば敗北は必至であったので、バグ相手に一撃必殺になりうるデバグシステムで一気にカタをつけるしかなかったからなのだが。この場で操られている完全体は只一体のみ。そう判断が付けばすべき手は一つしか残されていなかったのだ。

 紫苑は一仕事終えた直後だというのに既に次の仕事へと取り掛かろうとしていた。早速取引先のお偉いさん方を睨みつけると軽く髪の毛を掻き上げてから言った。

「あまり俺をなめるな。さぁ始めようか」





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 状況をきちんと認識するのにはかなりの時間を必要とした。

 急に部屋全体が発光したかと思うと次の瞬間には紫苑も結花さんもソーサリモン達もいなくなってしまっていて、僕とブイドラモンだけがぽつんと其処に取り残されているようだった。これはひどく悲しいなぁ。けっこう疎外感を感じるぞ。置いてけぼりってやつなのかも。


「部屋全体にトラップを仕掛けていたのか。それにしても皆いなくなっちゃったな」


 一応平静を装ってはみる。トラップが更に次のトラップを呼ぶ。ゲリラなんかが良くやるトラップの連鎖なんてものもあるからあまり動揺するのもよろしくないし。


「マスターと私が飛ばされた場合もありますよ」

「そうか。それもそうだね」


 それは考え付かなかった。いまいち同じ風景だし、距離感の掴み難い構造になっているから其処までは考えが浮かばなかった。ただその答えがどちらにしても辺りが寂しい雰囲気なのは変わらない。いっそ敵が出てきてくれたほうが安心するなと思ってみたりもするけれどそれも困る。

と思っているとやっぱり急に嫌なぴりぴりとした空気が淀めいてきた。それは多分僕よりもブイドラモンの方がよく認知しているだろう。敵を目の前にしたときのようにブイドラモンの鼻がぴくぴくと反応するように引き攣っている。


「マスター、早めに此処を出るか戦闘の準備をして置いた方が良いみたいですよ。雨降り前みたいに空気が重いです」


 僕は前に進もうとしたブイドラモンを手で制した。何となく何か起こりそうな感じがしたから。これは多分来る。

 予想通りだけれども突然に天井の一部が先程と同じように発行した。赤い召還魔法特有の光が降り注いで、其処から見覚えのある二頭のデジモンが現れた。アレはうざいな。とてつもなく。


「貴様の相手は私達だ。我が主の命により前回は気絶で済ませたが今は命果てるまで此処で足止めを喰ろうてもらうぞ」


 そのデジモンは牛の姿。強固な装甲を付けた雄々しい角を持つブルモンは身体を振るい僕の方を睨みつけて言い放った。その後ろから現れたのは、枝分かれし、大きく広がった角を持つ、鹿のようなムースモン。しかしムースモンは何も言わずにただ首をあちらこちらに傾げて暇を持て余すようにしていた。


「その節はどうも。でも根幹は油断もしていないし君等も四人じゃないからそう簡単にはいかないよ」

「借りは返させて貰いますよ。現金一括払いで」

「その通り」


 いかにも下らないものを見るみたいな目でブルモンたちは僕等のやり取りを眺めていたけれど、僕等は気にせずに続けた。僕はデジヴァイスを構えた。それでも二頭の目の色は変わらない。余裕かましているだけなら大呆けもいいとこ。しかしそれだけではない何かがあるような気もする。分からない、分からないがやるしかないでしょうこの場合。

 先ず先陣を切って突撃してきたのはブルモンだった。正に相手を貫くためにだけ存在しているような鋭く伸びた角の一撃は直撃すれば今のブイドラモンには計り知れないダメージを与えると思う。ブイドラモンはブルモンのごつい角を掴み受け止め、がら空きの背中に光の矢を放った。

しかし予想していたような反応は無く、矢はブルモンの装甲にあっさりと弾かれてそのまま壁に激突するまで直進し壁を打ち砕いた。しかし金太郎飴よろしく黒塗りの壁というよりは黒を練り込んだ壁に緑のワイヤーフレームというフォルムに変わりは無く、壁が砕かれた分真っ直ぐだったワイヤーフレームが左右に歪んだ。


「装甲には自信が在るみたいだな。一旦離れるんだ」


 防御なしに突進するぐらいだからある程度はそうだろうと予想していたけれど、この装甲の硬さは予想以上だった。様子見で加減していたとはいえブイブレスアローはブイドラモンの最強技。こうもあっさり弾き返されては問題だ。

 僕の指示を聞いてブルモンを往なし、飛び退こうとしたブイドラモンだったが、一瞬早くムースモンがブルモンの背中に飛び乗り、そこから首を振るい角を突き出してきた。予期せぬ攻撃に対応しきれず、僅かに直撃を避けられるように身体を捻る程度の行動しか出来なかった。更にはそれにより体勢を崩したおかげで一度は受け止めたブルモンの攻撃を再び受けることになり、ブイドラモンは弾き飛ばされた。

 けれどそこは勿論ブイドラモンだ。只攻撃を喰らうだけでなく、軽く地面を蹴って後方飛びダメージを抑える。空中での無理な体勢に更に負荷をかけて落下速度を速め、地面に手を付け体勢を入れ替え、手を支点に地面すれすれを尻尾で払った。ブルモンとムースモンがそれを受けて動きが止まった瞬間にブイドラモンは僕のところまで退いてきた。


「やっぱり手強いな。真っ向勝負もあんまりしたくないけど、かといって変化球に自信は無いからな。どうするブイドラモン」

「ボール球を混ぜていきますか」

「よしそれで行こう」


 ブイドラモンは首を左右に振って音を鳴らす。全身の首と名の付く全ての箇所を回して準備を整えると、相撲取り宛らにしこを踏む。そしてギョウジだったかなんだかとか、とにかくそういった感じの名前の人がなんだかいい声で掛け声をかけるのを待つみたいに構えた。視線は二頭並んだブルモンの方へ向かっていた。

QDCの名前も知らない先輩にパートナーとして紹介された時はどれだけ頭が悪いんだろうと思っていたけれど、僕らのすごしてきた日々の中でいくらか賢くはなっているみたいだ。それでもまだまだだけれどね。とにかく僕の狙いは動きの遅いブルモンから倒すこと。


「行け、そっちの鈍牛から片付けてあげな」

「了解」


 ブイドラモンはドスドスと足音をたてながら猛烈なスピードでブルモンに突進していった。どう考えても純粋な押し合いでは脚力のあるブルモンの方が上、だろうけれども刹那にぶつかり合うくらいだったら今は加速をつけたブイドラモンにある。そうして僅かな押し合いに競り勝つと素早くブルモンの頭を踏み、飛び越えブルモンの首目掛けてエアカッターを放たせた。

まるで効果のある感じはしなかったけれどそれは予想通り。ブイドラモンは空中で身体を捻って地面と水平に尻尾を振り抜く。本来なら結構な勢いで相手を弾き飛ばすことが出来る技だけれどどうやらそれも効かないみたいだ。ちなみに僕の呼び方としてはこれをテイルウィップという。

 着地の瞬間を狙い澄ました四本の後ろ蹴りがまとめてブイドラモンに襲い掛かる。内側二本の足を掴み強引に横へ払い攻撃を避ける。更にその隙間からしゃがんだ状態のままブルモンのボディにアッパーを繰り出した。それは不思議な手応えがして全くダメージにはならなかった。

ブイドラモンに硬いものを殴った感触はなかった。柔らかい何かに触れ、それが衝撃を吸収したように感じた。後に聞くとそんな感じだったらしい。

 ブルモンが猛然と地面を蹴り前足を支点にした。前足を残した身体全てが宙に浮きをブイドラモンのほうへ向き直った。直ぐに前足が来るだろうと判断したブイドラモンはまだ攻撃が予備動作のうちに角を掴み背中へ飛び乗った。


「貴様何をする」


 ブルモンはブイドラモンのロデオマシーンとなり激しく暴れまわった。しかし簡単に落とされるわけにもいかない。足はがっちりと背中を挟み、手はしっかりと角を掴んで放さなかった。そうだそこならムースモンも攻撃することが出来ない。


「よし行け!」


 タイミングを計り新たな攻撃の指示をだす。ブイドラモンは暴れるロデオを飛び降り後方に着地して尻尾を掴み、自分を中心にムースモンとは逆の方向へ思い切り放り投げた。投げた際に軸にした自分の身体にもう少しばかり反動を加えて半回転しムースモンのほうへ向き直る。襲い掛かられる前にブイブレスアローを放って距離をとらせる。その光の矢はムースモンの角を捉え、しかし弾かれた。

 ムースモンは角から渦巻くエネルギー波を撃ち出してきた。エネルギーを回転させることで破壊力を増しているようだ。直撃は危ない。


「風爪で避けろ」


 渦を巻いているのだったら同じく渦をぶつける事で力の向きを変えることも可能だと判断した僕は技の指示をだした。風爪はエアカッターの亜種技みたいなものでエアカッターを手に集めるまでの仮定は同じだけれどもそこから放たずに手に留め直接のパンチの攻撃力を上げる技だ。

 僕の判断は良いほうへ転び、手に集まった風の力が渦のエネルギーとぶつかった瞬間に反発し軌道を反らせて飛んでいった。ムースモンは何度か続けて同じ技を繰り出したが、一度対処の仕方が解れば喰らうはずも無い。ブイドラモンは悉くそれを交わした。

 二頭がなんらかの力で守られているっていうのは明白だ。ダメージは無いとしても装甲に傷が無いのもましてやブイブレスアローが弾かれるってのもおかしい。紫苑や結花さんだったらこれで相手の能力や対処法を分析するんだろうけど生憎僕にそんな能力はない。

 けれどやるべき価値のあることも見つけた。この技の弱点的なものを発見できたと思う。僕の予想が合っていれば。


「メガロブラスト直接照準!」


 僕は可能性を確信に変えるべくしてブイドラモンに技の指示を出した。メガロブラストは大型デジモン以外には実はあまり向かない技だ。直接相手に照準を合わせると渦の真ん中の開けたスペースに敵が見事に納まってしまうのだ。予想通り風の渦はムースモンを包み、その中心に逃げ込んだムースモンにダメージは無かった。

 ムースモンの対処に一寸時間を掛け過ぎたかな。ブルモンは既に起きていて、長い助走をつけてブイドラモンに突っ込んできた。だけどこんどはムースモンの追撃の心配も無いのでブイドラモンは腰を据えてブルモンの角を掴み受け止めた。だが、ブルモンのパワーはそう簡単に押し返せるものでもない。ブイドラモンはずるずると押され後退していった。


「飛べ」


 とっくの昔に承知之介な話はいい。僕はブイドラモンに上方への回避行動を命令した。支えを失い再び勢いを解放させられたブルモンは自分のパワーを留めきれずに空虚に向かって突進した。その先には今当にメガロブラストの効果を解かれたムースモンが居た。技を解かれたムースモンはブルモンと競り合っていたブイドラモン目掛けて突進をしていた。しかし僅か及ばずにブイドラモンは上空に逃れていた。

 同等のそれも同質の力がぶつかり合えばその力は相殺するか相殺を避けるために他の方向へ流れる。ブイドラモンは二頭のデジモンを護るエネルギーの相殺かそれに相当する現象が起きたであろう一転を狙いかなりの力を込めたブイブレスアローを撃ち出した。

狙い通りブイブレスアローはブルモンたちの脳天に直撃し、その場に頭から叩きつけた。最早もらったようなものだったけれど、攻撃の手を緩めてはいけない。ブイドラモンは二頭の頭に着地することで駄目押しの一撃を加えた。

 辺りに静けさが戻った。敵という一種の友達を失って暗闇が寂寥感を増した。一仕事終えたブイドラモンが僕の元へ戻ってきた。勝利の喜びで顔は綻んでいたけれどそれ以上に疲労の色が見えた。此処までブイドラモンが疲弊するのも珍しい。それだけ彼等が強かったということだ。それにしても僕もとても疲れた。


「やりました。ボール球に手を出して空振りって所ですかね」

「うーん、ちょっとこの場合だと長いな。オフェンスチャージて言うべきかな」

「急にサッカーに変えてきますか、なるほど」


 下らないギャグの講釈をしている場合じゃないけれど、癖というものは恐ろしいものでついやってしまう。ま、時には余裕も見せないとテイマーなんてやっていけないからね。特にパートナーが自分をよく慕ってくれている場合なんかは。

 そんな気遣いも知らずブイドラモンは急にテンションを変えて言ってきた。


「彼等は置いていって大丈夫でしょうかね」

「気絶しているみたいだし今はいいでしょ。それより何より早く先に進まないと。紫苑に怒られるからね」


 念のため近づいて確認してみる。大丈夫だろう。それより気になるのはこのムゲンマウンテンの構造だ。罠を仕掛けたにしては敵の数が少なすぎる。部屋が狭いこともあるんだろうけど、それなら部屋を広くしたりとか小型で固めるとかでいくらでも対処の仕様があるはずだ。なんとなくだけれど嫌な感じがする。


「急ごうブイドラモン。またどっかに飛ばされたら困るからね」

「了解してます」








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久々にGun Graveを見た。やっぱり良いもんである。黒田と倉田にはずれなしとか誰かが言ってたが(まぁ実際ははずれもあるわけだが)黒田スキーですな自分。

結構古臭い感じの雰囲気と象徴的なシーンの多い黒田脚本。1シーンが単なるそのもの語りの1シーンで終わらない。根底的に物語が繋がっていること示す確かな一瞬な訳だ。人間の変化は一瞬ずつしてゆくものでそれがはっきりと分かるような感じがする。

しかし面白いガングレイヴ。ブランドンが熱いのだ。ヒートなのだ。やくざ話は好きだし。任侠。横暴、不条理、生死、躍進、裏切り。物語のトーナリティがしっかりしているから非常に物語をじっくり長く楽しんでいるような感じがする。実際TV放送のアニメは23,4分しかない筈なのに随分長く見た感じがする。ちなみにまだ十四話までしか見てない。丁度転機のあるところだ。

なれないといろんな要素が苦手な感じもするかもしれんな。後若干これは一部ヘルシングのパクリなんじゃね?とか思うかもしれん。でもあっちよりも好き。そして今のところヘルシングはOVAよりTV放送の方が好き。絵の線が好き。OVAの方は黒田脚本だけどTVの方が好きだなぁ。まぁ黒田と小中とどっちが好きかとかでなく、漫画の流れを汲んでいるかとかそういうのも別にわし無視してるから(ってのも原作は大雑把な流れは面白くてもバランスが何か可笑しい部分があるし)TV版の方が演出的にも好きかもしれん。

ってヘルシングの話ではない。まぁともかく男の友情とかが好きな女子も見てみたらどーよ。黒田らしい一回は鬱になる展開もあり。っていうか悲しすぎて一気にみらんね。
一万でました。ドル箱です。
感謝多謝。

っていうか一万ヒットしても言うことないんかい!


はいないです。オリゴ糖御座いました。商品名で言うと普通グラニュー糖だよね。…はいこんなどうでも良いテンションで今後も続けさせていただきます。


あ、ひろこさんこんなサイトで参考になるかは分かりませんが頑張って下さい数学。


ゲキレンジャー。もういかにも子供向けという展開がなんとも味わい深い。ただその分大きなお兄さんのわしは若干退屈だったかなぁと。折角でてきた5人の敵はあっさり一人ずつ出てきてやられて最後の一人がなんか凄い毒を持っているらしい。っていうか早くも敵大将を強化する話かよ!こっちは未熟三人だってのに。是非ともマスターシャーフにはネコマスターとして変身して戦って欲しい。姉さんには1千年に一度(だっけか?)の変身でピンチを切り抜けてもらうのだ!

玄翁。もの凄く馬鹿馬鹿しいよね。でもそれで味わえるところがたらふくなのだからなんだかより凄いよなぁと。仲間が主人公の一部みたいな設定は非常によくやったって思うよ。今後後二人現れてわらわらするんだなぁと思うとより楽しみですな。ライダー同士が戦わないってのは気楽で良いです。…でもやっぱり二人目の特異点ってのが出るのか得意店ってのが。あの時計を持ったのは姉さんの恋人か何かか?望遠鏡で未来を覗いてたってか。…とりあえず後で驚かない為に先に邪推しておこう。

っていうかどうせならベルトのボタンは最初色を伏せておけばよかったのに。なんだか端っから色々な変身できますよみたいなのはあれだったしね。主人公は呪われ上等か…凄い主人公だ。

デジモン

ゥアルフォンスゥウウウーー!!

あれ?彼喋ってたっけか?もうすぐ最終回ですが。そして急に仲間になっちゃったけど。そういえば今更だけどデジソウルってよく考えたら設定的にダサイよなぁ。デジモンソウル、デジタルソウル…直訳するとデータの魂…デジモンとなんかそれっぽいのを合体させればいんじゃね?的な感じが…、まぁそのダサさが今回のデジモンがなかなか楽しかった要因の一つの気がします。ストレートな物語はえてしてダサいことが多いのさ。

さてさて結局のところロイヤルナイツは引き立てとお飾りだったわけで…でもデュークさんはやっぱり格好良いよな。あんなにそこまで格好良くもない姿でもやっぱりなんか格好良いし使いたくなるよなぁと思うデジモンもなかなかない。…あぁあんまり有名どころではないとかクレニアムモンとかは抜かしてね。鎧が真っ白なんだもの。その点こないだVジャンで読んだカオスデュークモンはなんか見た瞬間超使いたいとか思ってしまったのです。どうやらダークブルーな色のキャラとかは使いたくなる傾向。

さぁ最終回はどんどこ倒せ。どういうタイプの終わりになるかは知らんがとりあえず喧嘩バンチョーって肩書きはすっかり忘れてるのでタイトルではいまいち盛り上がれないぜ!そして新垣さんお疲れ様。よく頑張りました。くぎみーは龍が如くでいっぱい声を聞きました。

さてっ、来週だなっ。
「学 園 祭 宣 言 !」

澤崎政権壊滅の話題で世間が持ちきりとなっている頃、アッシュフォード学園では学園祭が催されていた。政情不安を吹っ飛ばすかのように生徒会メンバーを始め学生達は大盛り上がり!
がユーフェミアの闖入により事態は思わぬ大騒動へと発展していく



ユフィ…しかしなかなかいないぜ良い事を言ってる様な奴らの方がなんだかえらく悪い奴らに思えるのは。悪いって言うか間違ってる?わし的にもそうだしね。目的の物は何しても手に入れろの方だからなわしは。

本当に次回が毎回どうなるのやらと見ざるを得ないこの展開具合。そしてもし続編がなかったらこれどうやって二十五話で纏めるんだろうか。ってなスピードだよな。この後に及んで新設定というか設定追加というか。まぁ補足的なものもあったけど恐ろしく展開を煮詰めてジャムだな。

でもまぁそれまで後四話あるわけだし。まとまるんでしょう。割と後半というか最後数話は殆ど同じ部分の話を一挙に纏めてやる感じが谷口作品だと多いから今回もそうかと思ったらそうでもないようなそうなような。まぁ続編が確定したのだから急ぐ必要もなくなったわけだ。続編どうなんだろ。






「QDCの子といい、ここのシステムといいもっとまともに転送くらい出来ないものかしらね。もっとちゃんと教育すべきよ」


 ソーサリモンのトラップによりムゲンマウンテン内部の何処かへと転送された結花は腕組みをしながら愚痴をこぼしていた。誰に聞かせる訳でもない。無論斜め後ろに控え常に結花を警護しているオクタモンも例外ではない。ただ独りで呟き納得していた。

 認識するよりも前に感じて結花はオクタモンを呼び寄せた。暗く深い闇の如き壁の浮かび上がるグリーンのワイヤーフレームの殺風景な景色の中に、例え部屋の中が明るくとも見えるか否かと言うほどの細い無数の針がオクタモンに襲い掛かったが、鉄の鉤爪がついた触手の一薙ぎで全てが払い落とされた。


「グラォオオアアァアア!」


 予め準備されていたと見える二匹のデジモン、全身が金の体毛に覆われた東洋の神話に伝わるハヌマーンを模し、骨で出来た伸縮自在の棒を持つハヌモンと右腕がキャノン砲のゴリラの姿のゴリモンがやかましいくらいの唸り声をあげた。二匹はどこか正気でないようで眼が血走り腕には引き千切られた鎖がついていた。


「この子達にも教育が必要のようね。オクタモン、やりなさい」


 言うが早いか、その瞬間に軟体動物とは思えない俊敏さでオクタモンはハヌモンに近づいた。ハヌモンの巨大な骨の横払いを受け止め絡め取る。骨を受け止められた瞬間に奪い返そうと一瞬引き合いをしたものの、直ぐ適わぬと判断したハヌモンは逆の左腕でオクタモンの頭部を掴みに掛かった。

それを更に触手で掴みあげる。そしてハヌモンの横っ面を触手で叩き、同時に右腕を打ち据えて骨を奪い取った。恐らくは何らかの力で感情を持つことも封じられているだろうハヌモンも驚く程素早い動きだったが、更にはそれすらもする暇を与えずに背中へ回り込み全身を触手で絡め捻りあげた。

 ゴリモンが何もしない訳も無く銃でオクタモンをハヌモンごと打ち抜こうとしたが、ハヌモンの骨で銃身を叩き攻撃の始動自体を阻止し、続けて触手をしな撓らせ反動をつけた骨でゴリモンの顎に真下から打ち込んだ。

 オクタモンはゴリモンが仰け反っている間にハヌモンの止めへと移行した。些かハヌモンがもがきはするものの、オクタモンの触手はハヌモンの四肢を縛り、首に絡み付いていたため実質的には身動き一つとる事が出来なかった。首に巻きついた触手は躊躇無くボキッという音を悲惨な音をたて、ハヌモンの生命を奪った。そして興味を失った玩具のようにハヌモンは放り捨てられた。

 続けて体勢を立て直したゴリモンのほうへ向き直ると、先端に鋼鉄の突起がついた触手をその胸に強く突き立てた。身体を貫かれたゴリモン触手を引き抜こうとするも力と支えを失いよろよろと後方へよろめいた。最後の僅かな力を振り絞り右腕の銃を構えた。だが最後っ屁も虚しくすかしに終わり、ゴリモンが銃を撃つより早くオクタモンが銃口に向かって触手に持った銃を放ち、それはゴリモンの腕の中で炸裂した。

それにより出口を失ったまま発射されたエネルギーは更に銃の奥深くで炸裂し、腕は吹き飛んで、ゴリモン自身もデジタルワールドの露と消えた。その間僅か八秒たらず。全てはあっという間の出来事だった。


「デジタマからやり直しなさい。…それと其処の貴方も出てくるなり逃げるなりしなさい。其処に居るだけだからと言って見逃したりはしないわ」


 結花は暗い空間の奥のほうを見据えた。結花が見た方向にワイヤーフレームの光を遮るものは無かった。しかし暫くすると驚くことにワイヤーフレームの向こう側、つまり壁の中からデジモンが現れた。

 しかし結花は驚かず、オクタモンは蛸壺の奥で瞳の色を変えなかった。冷静であり冷徹。常識を逸脱したレベルでそれを二人は実践していた。


「こんな仕掛けがあるなんて私も知らなかったわ。此処の管理人は一体どういうお金使い方をしているのかしら。この分だとまだまだ仕掛けがありそうね。…全く、ビックリハウスじゃあるまいし」


「何故だ!」


 結花の呟きを掻き消すようにナイトモンは叫んだ。


「何故こんなにもあっさりと命を奪える。貴様等には良心の呵責というものが無いのか」

「言っていることの意味がよく判らないわ。彼等が攻撃してきたから倒しただけの話よ。それ以上の意味はないわ。無駄な話をさせないで頂戴」

「それだけの事を言っているのでは…」


 ナイトモンが言い終わらないうちにオクタモンの銃、海鳴墨銃が火を噴いた。ナイトモンはその十m程の鎧に包まれた巨体の半分を隠せるほどの巨大な剣を目の前に翳し弾丸を受け止めた。その中に詰まっていた大量の墨が剣にぶつかった事により作用反作用の理論と慣性の法則とによりナイトモンの周囲に散らばった。


「貴方の御託は聞きたくないわ。どうせもう直ぐデータへと置換されるのですもの」

「致し方ない」


 ナイトモンは大きな一歩、大よそ六mほどの大きな一歩で踏み込み剣を突き出した。オクタモンは後方に打ち付けた触手で素早く身体を引いてそれを交わし、再度引き金を引いた。しかし弾丸はまたもその名をベルセルくソードという巨剣により行く手を阻まれた。

 剣に意識が集中している隙を突いてナイトモンは直接オクタモンに前蹴りを繰り出してきた。オクタモンのサイズと蹴りの角度的には踏み潰しに掛かったともいえるが、それはこの際は言わないでおこうそれをオクタモンは数本の触手を駆使し受け止め引き寄せようとした。

八本ある触手の一本一本がハヌモンゴリモンの腕や足に匹敵するほどの力を持っているのだからその蹴り込みいかに強いかを物語っている。そしてそれを軽く受け止めたオクタモンにも驚くものがあるが、同時に信じられない速度で振られる剣を認識し、鍋の具よろしく触手と身体に分断されては適わぬので直ぐに触手を引っ込めて体ごと逃れた。


 更に下がりながら二度、三度と銃を撃つ。ナイトモンはそれを全て剣で弾き、あるいは薙ぎ払い間合いを素早く詰める。オクタモンが弾丸を撃ち切るとナイトモンは上段の構えに持ってゆき一気に振り下ろした。オクタモンはそれを左右対称鋼鉄突起の触手両方で受け止めた。


「何!」


 驚きの声と共にナイトモンの剣は割れるような金属音をあげていとも簡単に折れてしまった。しかしそれで驚いてはいけなかった。というよりも驚きを見せて隙を与えてはいけなかった。僅かに怯んだナイトモンにオクタモンが飛び掛りしがみ付き四肢の動きを封じると共に残りの武器になりえるものを全て取り払った。


「オクタモンの海鳴墨銃はあらゆる毒物を混ぜて出来たたま弾丸よ。そんな安っぽいデータなら簡単に侵食し配列を分断できるわ。力も頭も足りなかったわね」


 オクタモンはナイトモンのフェイスガードを引き剥がした。成長強度がオクタモンよりも一段階高いナイトモンは僅かな力の差でオクタモンの攻撃を阻止しようとするが、それを許す程オクタモンが甘いわけも無い。ナイトモンの肉体は一見頑丈な鎧で出来ているが、それは甲冑と同じく身体を動きやすくするように装甲の薄く出来ている各部関節への攻撃には弱い。

そしてナイトモンはその鎧の中に肉体があるわけでなく、あくまでデジモンの心臓、デジコアとその周りを守る鎧で出来たデジモンでつまり内部は空洞である。オクタモンは貫いた関節から触手を挿し込み、手足の動きをより鈍くした。僅かに鈍くなればそれで終わりである。

 関節から同じ方法をとることも出来るかもしれなかったが、オクタモンの触手の長さでは関節からナイトモンの中心部デジコアへとは届かない。オクタモンはナイトモンのフェイスガードを引き剥がしたことで出来た口から鉤爪の付いた触手を挿し込んだ。


「この場合は紫苑君よりも先ず紳君を見つけたいところね。彼は今負傷しているし」


 また結花は誰かに聞かせるわけでもなく呟いた。オクタモンは黙って彼女の後ろに控えて歩いていった。










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 紫苑は目の奥がチカチカするような感覚を覚えていた。

 ブイドラモンの背の上でたゆたいながら降りていったムゲンマウンテンの内部は予期していたようなごつごつとした岩肌を露出した壁でなく、一面が整え塗り固められた黒い壁だった。何処を向いても、壁、壁、壁、で対比するものは何一つ無いのだが、そこに確かに壁がある事が分かるのは、緑に光る荒い網目の線、ポリゴンの輪郭を現すワイヤー状のフレームがあるからだった。

ただそれは例えるなら、立体物を線でふちどりしただけの粗末な出来のテレビゲームで、つまりはただのテクスチャを張り忘れた粗末な壁だった。人間基準で考えるなら十分な大部屋ではあったが、イッカクモンなど巨体のデジモンで考えればさして広い空間とも思えなかった。

 紫苑は目を細めて部屋の奥を眺めた。床壁天井の何も無い空間の中に一つぽつんと何処かで見た台座のようなものが存在していた。それはQDCに在った転送装置とよく似たもので、恐らくその仕掛けの内容も同じようなもので、QDCの時のように周りに大掛かりな仕掛けがないところを見るとそれよりも簡易の、せいぜいエレベーター代わりの代物といったところだろうか。

 辺りにデジモンの気配は無かった。しかし、これでもかといわんばかりに不穏な空気が漂っていた。


「素朴な、っつーか粗暴な、だなこの場合。んでこのつくりの方が罠を仕掛けやすいことを思い知らされたな。こいつは罠に掛からずに行くほうが無理だな」


 ともらしたのは紫苑。実際彼の顔は少しばかり引き攣り狼狽していた。とはいいつつも目だけは少し広めに取られた壁の中の空間を行ったり来たりしていて、それは群れの先頭に立つ狼のそれと同じ、鋭さと冷静さと警戒の色が見受けられた。


「此処で色々言っても仕方ないわね。取り敢えず雑そうな紫苑君にも、負傷中の紳君にもまかせられないから私とおっくんが先頭に立って進むわ。動きの早い紫苑くは殿をして頂戴」

「あいよ」

「その必要はないですよ」


 突然声が聞こえた。瞬間、一同は精錬されたテイマーとしての腕に相応しい速さで反応し身構えた。人間よりも感覚器の鋭いデジモン勢、特に聴覚に優れスピードに特化したゴマモンが真っ先に声の主、ソーサリモンへと飛び掛った。しかし、当然の如くそのシャープエッジはソーサリモンに届く前に弾かれてしまった。


「素早いですな、実に素早い」

「こっちは貴様を殺しに来ているんだ、当然だろ」


 押し出したような普段と違った調子のドスの利いた紫苑の低い声が響く。好戦的な紫苑の様子に対しソーサリモンはただ立っているだけだったが、何らかの力で身を守っていることは明白だった。紳はあからさまな紫苑の横で何も言わずにデジヴァイスを構えていた。不安か、怒りか、痛みか、左腕は右ひじに添えられて、何か自分に言い聞かせるように小さく息を吐いた。


「いやいや、予想よりも集まりましたな。ある程度の準備もしてきたようだ。意外と冷静なのですね」


 やや茶化すように言ったソーサリモンは傍らにフレイウィザーモンを連れていた。彼等の身体から溢れる魔力が見せているのか、おおよそ戦いをしに来たとは思えないほど無防備に立っているのにそれでもそばには寄られない雰囲気が在った。


「感情で動く阿呆ではない。で、何用だ。葉月の場所でも教えてくれるのかい?」


 誘うように紫苑は笑った。背中から殺気が立ち込めているのがわかった。此れがたかだか十三歳の少年が放つべき殺気だろうか。果たしてそれは放ってはいけないほどのそれを纏っていた。


「紫苑、落ち着きなよ。僕のほうも、結構きているから」


 紳が紫苑の殺気の中へ手を落とした。後が残るのではないかと思うほど強く肩を掴まれたにも関らず紫苑は振り向きもしなかった。結花はデジヴァイスを持ったまま眉一つ何一つ身体を動かすことをしなかった。


「おいら、あれ許せねでよ」

「分かってる。どいつもこいつも黙った方がいいぜ。殴られたきゃなかったらな」


 僅かに身を乗り出してきたゴマモンにしゃがんで軽く頭をなでると、ぐいと後ろへ押しやりソーサリモンを睨め付けた。不意にソーサリモンが手を翳した。


「では予定通り残りお二方とパートナーには消えていただこう」


 翳した掌にエネルギーが集まったことを認識した次の瞬間にはもう紫苑の目の前の景色は光に埋め尽くされ消えてしまっていた。

 眩しさに目を細めた紫苑が視力を取り戻した頃にはすでに、そこには結花や紳、オクタモン、ブイドラモンの姿はなく、ソーサリモン達が闇の中の緑の網目を遮っていただけだった。


「強制転移魔法?部屋全体に転送補助のトラップがセットされてんのか。…まぁ好都合だ。手前ぇもそっちも喋らないのもまとめてぶっ飛ばしてやるよ」


 紫苑に驚いた様子は無かった。というよりは寧ろ感情を抑えどんな状況にも対応できるように構えている様子だった。

当然同様のトラップがもう一度発動されても自由に動けるように警戒しているし、明け方に戦ったとき見たどの技にも反応できるように十分な間をおき、その他何が起ころうとも、例え後方から突然敵が襲い掛かってきてもそれを交わし反撃を加えることすら出来るように体勢を作っていた。紫苑にはまるで抜かりがなかった。故に有利な状況であるソーサリモンは紫苑がしゃがんでいるのにも関わらず動こうとしなかった。


「…先程君は言いましたね、あの少女の場所を教えろと。教えてあげてもいいですよ。私たちを退ける事ができたら、ですがね」

「御託は言うな。お前が何を言おうとも葉月の居場所は聞き出す」

「葉月はおいらも好きだで、絶対助けんべよ」

「よく言った。それでこそ男ってもんだ」


 紫苑とゴマモンはお互いの拳をぶつけ合った。紫苑は立ち上がった。何が彼を此処まで強くさせるのかは分からない。


 ソーサリモンは掌を地面に向けた。フレイウィザーモンがその前に守るように立ちはだかりソーサリモンは某かの呪文を唱え始めた。先程よりも小さな規模で地面が円形を作って赤く発光しその光のサークルの中から一匹、二匹、いやその数は数えるほどに増え、最終的には十一匹ものデジモンが現れた。

額に一メートル強の砲身を持ち、左右の腕がガトリングキャノン砲のキャタピラ足をしたタンクモンが一体、
その動きの遅いタンクモンの両側の守りを固めるテンガロンハットが似合う赤いマフラーを巻いた古いカウボーイスタイルのリボルモンが二体、
最前線に構えたゆうに5mはありそうな岩で出来た巨躯を持つゴーレモンが三頭、
三頭横並びになったゴーレモンの真ん中を除いた二頭の頭の上を、それぞれ二匹ずつ計四匹の頭部のてっぺん天辺に雷のマークを携えた丸く小さな身体のサンダーボールモンが旋回し、
そして真ん中のゴーレモンの真上にはギロモンに似た紫のボディを持ち、しかし、肝心の二本の角が無く、機械でなはない生身の肉体の右腕で斬電剣という片刃の剣を持ったテッカモンが飛んでいた。

ボーリングのピンのように―――にしては向きも逆で数も合っていないが―――ピラミッドの形を作ったそれらは、紫苑の眼にも個々が只の雑魚ではないように見えた。

 待ち伏せて撃つ、定石的な罠だがこれは戦略というものを立てる上では非常に重要だ。こと一対一ではなかなか適わない相手にはこういった手を使い策を弄するのが当然である。そのことを紫苑が分からない訳が無い。漫画やアニメ、果てはゲームに至るまで敵陣に乗り込むという事がいかに難易度の高い試練であるかを正確には描写できていない。紫苑はここではあらゆるものに気を配らなければならない。それは慎重ではない、当然のことなのだ。

 しかしそれでも此れを乗り越えなければ成らない理由が紫苑にはある。囚われた家族同然の葉月をその手で救う為。何の罠が待ち構えていようともいとも簡単に抜けてしまえる力をつける為。そしてそもそもこの場所を壊滅させる為。その為に紫苑は震えもせずに心を落ち着け周りを見渡し、全ての可能性を考慮して尚且つ勝つ確立のみをあげてゆく。

絶対はない、というのは紫苑のものの考え方。故に絶対可能という希望も無いが、絶対不可能という絶望も無い。紫苑は笑った。


「この程度を切り抜けてこそ私と戦う価値があるのだ。さぁ切り抜けて見せよ。我等はそれまで何もしないでおくことを約束する」

「慈悲深いことどうもありがとよ。確かにこの程度なら二,三機失うだけで済みそうだな。んで上手いこと一機残ってたら次は手前ぇらの番だからよろしくな」

「アイツ等ゲームのこと分からんっしょや」

「関係ねぇよ、んなこと。とにかくブチノメシ、だ」

「行くべや」


 僅か数メートルでお互いが対峙し合った。紫苑はこのままの状況ではあまり勝てそうな気はしなかったが、しかし死ぬ気もしなかった。用は生き残れば良いだけの話だ。







「エリアはE‐5、ムゲンマウンテンよ。ポイント微調整は任せるけどミスはしないでよ、変なところに飛ばしたらたんまり反省文書かせるわよ」

「宇田川さん、一つで三人を飛ばすのには少々出力が足らないのですが」

「地方支部の予算は少ないのよ。適当な施設から無理やり出力引っ張ってきなさい」


 午後九時、普段ならばこの時間には点いている事のない蛍光灯が煌々と周囲の人々を照らす情報処理室では、五時に一度は閉められた扉を再び開きQDC社員が競い合うように室内を駆けずり回っていた。理由は勿論転送装置の稼動のためである。

 紫苑はその様子を入り口付近の椅子に腰掛けて見守っていた。特にパソコンが得意と言うわけでもなく、此処のシステムの操作の仕方もわからない紫苑は、餅は餅屋ということで結花や他のメンバーに完全に委託することに決めていた。

 紫苑は身体を震わせていた。いつも着込んでいたぼろ布のマントをこの時は羽織っていなかったし、この部屋の中もパソコンのために空調が調節され、紫苑の嫌う極度に冷えすぎの二十三度に設定されていたから、そのためかもしれなかったが、あるいはそれにも気付かずもっと別のことに気を取られその身を震わせていたのかもしれない。ゴマモンは呑気に紫苑の足元を転がりながらアーアー唸っていた。


「悪い、ちょっと忘れ物していて遅くなった」


 するとそこに紳が扉を開けて入ってきた。きちっとした長袖長ズボンの下には痛々しい包帯がまだ巻かれているだろうけれども、その様子は微塵も顔に出さずに笑って紫苑に話しかけてきた。後から入ってきたブイドラモンにも、角の一部が欠けていたり、切り傷の後が残っていたりと未治療の様子が見て取れた。


「忘れ物?別に持っていくものは特に無いだろ」


 紫苑は尋ねた。元々多くの荷物は持たない性質であるし、戦闘する目的で行くのであればその少ない荷物すら置いていく紫苑には忘れ物など考えつかないことだった。


「いや、これこれ」


 紳は徐にポケットから何かを取り出した。それは細い棒状のもので、一部に穴が開き、管のようになっていた。


「犬笛、ま、お守りみたいなものかな」

「そうかい。もっとゆっくりしていても良かったぜ、どうせここじゃ俺たちにやれることはないからな」

「それは君だけ。僕はパソコン使えるからね、君だけだよパソコン使えないの」

「スイーパーにいいようにやられていた奴がほざくな」

「ま、お互い様ってことで」


 これから敵陣へ乗り込むと言うのに、紳も紫苑もお互いに軽口を叩きながら笑い合っていた。それは余裕だからではない。事実目にはさほど面白いというような光は映っておらず、余力の無さを誤魔化すような口の端の上がり方をしていた。

紫苑は両手の指先を合わせ器用にくるくると指先を一組ずつ回していた。紳はこれをよく目にした事がある、これは紫苑の数ある癖の一つだった。ちなみにゴマモンには髪の毛を崩してから掻き揚げるという癖があった。どうでもいいことだが。


「3人でどうにかなるもんかな」


 不安げな声で紳が呟くように言った。敵からの誘いを受けてのこのこと敵陣に飛び込むのだ、そこに罠が無いはずが無かった。ここらにいるテイマーとしてはベストのメンバーだったかもしれないが、それでも不安は少なくなかった。デジモン達自身にも不安の様子は見て取れた。声に反応するようにゴマモンの耳はピクピクと引き攣って、ブイドラモンの目は細められた。

「お前の命と引き換えにだとしても葉月を助けるぐらいのとこはするさ」

「…懸けるなら自分の命にしてくれよ。おっと、それよりお呼びが掛かったみたいだよ」

「配線は繋いだ?大丈夫ね。起動と同時にコントロールパネルの…えっとこのボタンでエネルギーを送るのよ。いいわね。…二人とも準備できたわよこっちにいらっしゃい」


 結花は細かい指示をし終えると二人を呼んだ。紫苑はゆらりと立ち上がり、紳は少しふらついて紫苑の方に手を掛けた。紫苑は紳を見て、


「騒がしい女だな」


 と少し笑っただけだった。


「紳君は分かっていると思うけど、紫苑君、転送中は下手に身体を動かすと正確にプログラムが作動しなくなって亜空間に飛ばされる場合もあるから気をつけて」


「心配だったらシートベルトを全身に巻いておいてくれ」

「…それだけいえるなら心配ないわ。君に限って頭が痒くて掻くなんてことはしないと思うし」

「しかし狭いな。もっとまともなもの造れなかったのかよ」

「転送っていうのは相当量のエネルギーを必要とするの。いくら支部長の私でも私用で使うのに団体用の転送装置は使えないのよ。分かったら詰めて頂戴」


 一人用の転送装置は直径五十cmの電脳世界でのプラスチックに類する、しかしそれよりも強度の高い物質で囲われた、DT板と呼ばれるサークル状の装置になっている。当然それは三人の人間が乗り切るには些か狭い仕様となっている。


「デジモンは団体用か。納得いかんな」

「個体差が大きいから一人用に入れないデジモンも出てくるでしょう。だから団体用しか作ってないのよ。予算の都合で」

「お前もう少しそっちいけないのかよ」

「十分詰めてるわよ、煩いわね」

「こっち体重かけないでよ、僕は傷み物なんだから」


 三人はそれぞれ背中合わせで口々に言いたい事を言い合いながら転送は開始された。エネルギーの供給される低い唸るような音と転送装置を動かしている技術者達の掛け声がプラスチックの壁越しに聞こえてきた。


 転送の瞬間は思ったよりもあっけなく、気がついたときには既に紫苑の目の前の景色は変わっていた。実質的な時間は10数秒ほど経っていたのだが、転送中に肉体はデータ粒子に分解されるので、その瞬間の出来事を紫苑は記憶していなかった。


「うお!」


 転送後まず紫苑が感じたのは肉体の不可思議な浮遊感と足元から吹く風だった。特別それを表現できる言葉はあまり思い浮かばなかったが、それから自分たちが落下しているのだと気付くのには時間を要し、気付いたときには身体は強かに叩きつけられていた。


「もう少し綺麗に飛ばせないものかしらね。プログラミングに問題があるわ」

「落ちると言うこともさることながら落ち方もベタ過ぎる。愚痴る前にお前のケツを俺の背中からどかせろ」


 前のめりに、うつ伏せに地面に落下した紫苑の上には綺麗に座ったまま着地した結花の尻があった。紫苑はベタな笑いは好きではなかった。


「あらごめんなさい」

「どうせならそこでもんどりうっている色ボケの上に落ちてくれ」


 結花は白々しく謝りながら紫苑の背中から尻を除けた。紳は何があったか横で悶え膝をかかえてゴロゴロと転がっていた。


「送り方も悪けりゃ送り先も悪いな。ここはムゲンマウンテンの山頂か?」


 紫苑は頂上を切り落としたかのようにま平らな山頂を歩き回り、あたりを見回して呟いた。空を覆う薄暗い雲が今は足元を覆っていて月が隔てもなく空に浮かんでいる。それだけで自分たちの立つ場所の高さがどれほどのものなのか認識させる。

今は空調などと言うものはここには存在しないが、あるいはカーネルによって気温などは決定されているのかもしれないが、基本的な気象条件は現実世界と変わらず、夏にもかかわらず夜のそれもかなりの標高の高さが空気を冷え込ませ、肌寒さが南方生まれで寒さに弱い紫苑の皮膚を鳥のそれと近しいものに変えていた。


「ったく、寒いな。早いとこ身体動かすぞ。起きろ紳、お前のブイドラモンの出番だ」


 未だ地面を転がり続ける紳の襟を掴んで乱暴に起き上がらせると腿を膝で小突いて急かした。紫苑は胸の前に腕を組み首を竦め背を丸めた。


「ブイブレスアローで地面にでかいあな開けてくれ。全員通れるようにな」

「人使いが荒いのは結花さんも紫苑も変わらないね。怪我人を少しはいたわってくれてもいいんじゃないかい?」


 といいつつも、あらかじめ逆らっても無意味なことを知っている紳はブイドラモンに目配せをした。マスターも人使いというかデジモン使いが荒いじゃないすかとでもいいたそうな目をしてブイドラモンは口の中に空気を溜め込んだ。

 一撃の下に地面には大きな穴が開けられた。しかし関門関所はそれだけではなかった。開けられた地面のその増したには黒い鉄の板が敷かれていた。板は拠点を守るには相応に強固でブイドラモンのブイブレスアローでも罅一つ入らなかった。


「レアメタル合金か、ミスリル七にオリハルコン三、クロンデジゾイト一の十二~十五mmってところかな。面倒だね」

「相変わらず鉄屑には詳しいのな」


 紳は鉄板を見るなりデジヴァイスのメモリから小さな金槌を取り出した。特有の音とく小さな空気の渦を巻き起こしながらデジヴァイスから、初めは小さな光の粒として、そして次第に空気中に存在する何かを取り込み成長してゆくかのように形を成し現れた金槌で鉄板を叩きながら手で触れて振動を感じてみたり耳を付けて音を聞いてみたりした。

紳の家業は製鉄だった。「佐川製鉄」は長い歴史を誇る老舗の工場ではないが、紳の祖父は一代で財を築き上げた敏腕な工場主だった。還暦を過ぎて十年は経っているのにも拘らず衰えを知らぬ祖父は未だに現役の工場主であり続けていた。

幼き頃の紳はプレス機の音を子守唄に、転がる鉄くずを玩具に育ってきた。そんな紳が祖父に十歳のときに始めて教わった鉄の材質の見分け方はすんなりと紳の肉体へ知識へと刷り込まれていった。


「ミサイルの熱で脆くするか」

「いや、ミスリルの割合が高いから耐熱性には優れている。かといって僕等の攻撃力では破るには至らないから他の道を探したほうが早い可能性が高い」

「それも面倒だろ、それに他が見つかるとも限らんしこの高さを降りるのは難儀だ。真空波で…いや無駄か。核ミサイルも通さないようなもんにゃ意味がねぇ」

「加熱と冷却を連続してやり続けるしかないかな。時間は掛かるけどそれが一番確実な方法かな」

「君達寝ぼけているんじゃないかしら?私のパートナーの実力と能力をお忘れかしら?おっくん御願いね」


 紫苑と紳の間に割って出で、高飛車に結花が言い放ったと同時に紫苑達を押し退けて一匹のデジモンが前に出てきた。頭からところどころにフジツボが付着し、角が生え王冠のようなものが乗せられた三メートルほどの大きさの壷を被りそれぞれ鉤爪や突出手甲を装備した触手を含む八本の触手を手足の如く動かして、背に抜き身のカトラス剣を差し、腰にあたる部分には丸みを帯びた形状の拳銃―――とは言っても人間からすればそのサイズはショットガンと同等のものであるが―――を装着していた。

その拳銃を触手で掴み、構え、そして連続して行く手を遮る鉄板に銃弾を打ち出した。瞬間何かが炸裂するような音と共に煙が上がり紫苑達の視界を埋め尽くした。

 そのデジモンの名前はオクタモンだった。

 オクタモンはデジモンの中では決して珍しい種族ではなかった。しかしその実力は稀どころか近隣の界隈では無類無双、右に出るものはなく近いものも少なく足元に及ばぬものがほとんどであるくらいだった。まともに戦えば紫苑でさえ十中八九で適わないと思ってしまう程であった。

だが同時に紫苑はオクタモンを好めないとも思っていた。実際に会話をした事はない、というか寧ろオクタモンが何か物を言った瞬間を見たことはない。ただ態度、雰囲気、を僅かながら目にしただけである。しかし紫苑には何か、それは表現できるものではないような何かいけ好かないものを、感じていた。単にテイマーの結花自身をいけ好かないと思っていることに起因する感情なのかもしれなかったが。

 紫苑たちが煙の上がる鉄板を黙って見ていると次第に煙が晴れ、様子が明らかになってきた。なるほど無二の実力というのが頷ける仕事振りだった。見れば鉄板には見事な大穴が開きただ爛れた様に合金の一部が溶け開いた暗い穴の底へと喰われていった。


「おっくん有り難う」


 オクタモンは静かに拳銃を腰に収め徐ろにその身を揺すり厳かに結花の背後へと何も言わずに回った。紫苑達の間に出でた結花の後ろへ回るときは当然、結花の横を通り抜けると同時に紫苑の横を通り抜けることになる。そして紫苑は見た。オクタモンの壷の奥の暗がりに光る瞳が紫苑に向けられていたのを。

 反射的に組んでいた腕を解き拳を握った。そうしてから自分で拳を握ったことに気付いてそのままその手をポケットにぶち込んだ。続いて結花を睨み、紳を眺め、ブイドラモンを見、ゴマモンに目が行った。


「紫苑君、何してるの?」


 紫苑は結花に後ろから肩を叩かれそう尋ねられた。


「…あ、あぁ、そうだな行くか。深さも分からんからブイドラモンの風の技でゆっくり降下した方がいいだろ」

「そうね。また人使いが荒いと言われそうだけれどね」


 振り返った紫苑の言った言葉に結花は軽く笑った。紫苑もそれにつられて口の端を吊り上げた。しかし視線は何処へ向かっていたか、紫苑自身にすら分からなかった。












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 俺の所属する組織『Q・D・C』はデジタルワールド内外の秩序と均衡を保つために設立されたテイマーによる組織であると聞かされている。その設立の切っ掛けは俗に言う東京1999年お台場事件、第一ネット事件、黒い塔2002年事件、第二ネット、東京湾事件などに見られるリアルワールド―――此方の世界ではアナログワールドと呼ばれている―――への強い干渉を制御し、お互いがお互いの通りに生活できる状態を保つためだというらしい。実際のところは知らん。

 組織の基盤は電脳世界を管理するといわれているカーネル中核システムよりの派遣者『プログラマー』の構築した『プランQDC』というプログラムとなっている。「Qualified Digital Children」直訳すると「資格を持つデジタルな子供達」ということになる。本来はこれを意訳し「選ばれし子供達」と呼ぶらしい。この言葉についての詳しい意味に付いては聞いた事がないが、なんでも設立初期のQDCメンバーの事を主にこう呼んでいたとデジモン達は話していた。

 正式に設立されたのはつい2年前のこと。設立者名義はプログラマーのあのゲンナイの親父で、設立当時たった十余名の組織がこの二年間であっという間に二百組強のテイマーズ―――テイマーデジモン使い達とそのパートナーデジモン一組―――と総勢一万のデジモン達という驚異的な規模の組織へと急成長をしたということだけは聞かされている。

只、一般的な組織としての規模としては巨大だが、年々どころか月々にどんどん増え続けるテイマーや多数広範囲に点在する抵抗(レジス)組織(タンス)や、所謂ダークエリア暗黒世界やってくる厄災の現況となるデジモン達の数などを考えるとまだまだ見劣りするぐらいだが。

 QDCは広範囲での活動を可能にするために書く地域に支部所を設置した。俺はそのうちのビートランドに存在するファイル島全体を担当する支部へ向かった。




「宇田川、俺の言いたいことはわかるな。事細かに答えろ」


 俺はファイル島支部へつくなりなんの断りも無く測最上階の支部長室へと駆け込んだ、否、怒鳴り込んだ。入り口に居た受付嬢は俺の罵声で縮み上がり、俺を制止しようとした警備員は階段の途中でゴマモンにのされ転がり落ちていったが、それを気にするつもりは無かった。

とやかく言うのだったら俺より働け。そうしてたどり着いた支部長室には優雅にキリマンジャロ等飲みながらパソコンと向かい合っていた女は、この腐れファイル島支部の糞支部長のうだがわゆいか宇田川結花だった。


「一般人の保護はQDCの役目でおまえ自身にもあいつのことを頼んだだろうが。それが何故拉致られる破目になっている。北朝鮮も驚くぐらい拉致するんだぞ、なぜ其処に注意しなかった」

「あら、葉月さんのことかしら。あの子は既に一般人ではなくテイマーであることは貴方も知っているでしょう」

「下らない屁理屈を叩くな。レベルの低いテイマーを守るのも手前ぇ等の役目だろ。仮にあいつに出し抜かれて逃げられたにしてもお守りぐらい直ぐに出さなかったのか」

「思ったよりも巧妙に逃げて行ったわよ。あのアクスモンがパートナーというだけあって」

「とぼけるな!俺が囮に使われるのはわかる。度胸も無い駄目テイマー共よりはお前等にとって使える人間だと思うからな俺は。忌み児は捨て駒にはもってこいだ。だが、囮にさらに撒き餌を撒いたのはどういう了見だ。そもそもお前が出し抜かれた何てこと自体がありえねぇ。明らかにわざと逃がしているだろうがよ」


 俺は一気に捲くし立てて、此処までの道中で導き出した結論を突きつけた。一瞬宇田川の目が揺らいだところを見るとその結論は間違ってはいなかったようだ。こいつ等囮に確実にスイーパーが掛かる様に葉月を撒き餌にしやがった。


「まさか他に被害が及ばぬように巣の除去を俺以外の奴には中断するように言っていたとは思わなかった。完全に俺のみに敵が向くように他にも色々手を尽くしているんだろう」

「それも聞いていたのね。小細工を弄してもばれるものはばれるわね。で、何が言いたいの?」


 この言葉に俺は憤慨した。何処まで人を小馬鹿にすれば気が済むんだ。足元で様子を見ていたゴマも少しばかりその言葉のニュアンスに引っ掛かったようだ、


「白々しい事をぬかすな、俺は俺自身がどれだけ此処の腰抜けどもに嫌われているか知っている。馴染むつもりも無い。だが、葉月を巻き込んだのだけは許さねぇ。相手が俺を知っているというなら葉月に危険が及ぶのは火を見るより明らかだろうが!」

「彼女をしっかり保護していなかったのはこっちのミスよ。それは認めるわ。でも、彼女に護衛を送らなかった訳ではないわ。丁度近くにいたし。貴方も知っているでしょう、さがわしん佐川紳君よ」


 こいつの出世した理由がよく判る。無駄に幾つも幾つも保険と伏線を張りやがって。俺以外に巣の除去をしていないのに何故紳が近くに居たんだよ。何用でそっちのほうに送ったんだ。まさか紳があの時あそこに居たのはそういうことだったとは。


「じゃあ何故葉月は拉致られた。アイツとブイドラモンの強さは俺も十二分に知っている」

「4人のスイーパーに囲まれてあっという間だったと聞いているわ。それに手枷がついていたら彼でも十分に力を発揮することは出来ないでしょう」

「どいつもこいつも俺に付いて回るからろくな事にならねぇんだよ。んで紳は今どうしている」


 それにしても陰険な物言いをする女だ。むかつくことこの上ねぇ。


「QDC所属のデジモンが送ってきてくれたわ。今は医務室で眠っている」

「陰口を叩く社員にミスを認めない上司。全く、此処は最悪だ。邪魔したな」


 捨て台詞を吐いて俺が廊下に出た。ゴマは良いのか?という顔をしていたがこの調子では此処の支部からの戦力調達は期待できそうに無い。


「待って、一人で行くの?今の貴方の力では無理だわ」

「紳を叩き起こして責任を取らせる。後は俺の脳味噌とこの小僧の力で切り抜けるしかない。もとより此処のヘタレには期待していない」


 葉月を探して、助けて、逃げるだけだ。簡単な話だ。


「待ちなさいと言っているのよ。今すぐ行ったらその子も紳君も体力が持たないでしょう。貴方みたいに超人的な体力の人間なんてそういないんだから。それに転送装置の許可は私が出すのよ」


 自分からまいた種のくせに突っかかってくる奴だ。これだから人は嫌いなんだ。理屈に合わんことばかり言っているのにそれを正しいと思ってやがる。


「出さなくてもいい、たいした距離じゃねぇから走っていけば済む」

「年上の言葉は聞くものよ。…私が貴方達に同行します。それが不満なら此処を出て頂戴」


 責任なんぞこれっぽっちも感じちゃいないくせにやはり白々しいことを言う女だ。同行したことで罪を誤魔化せると思っているのか。救えない。しかし俺の方が救えない人間だ。それが意地を張るよりかは素直に受けたほうがいい話だ。最優先は俺のプライドではない。あいつの心や命だ。俺にとってそれより尊いものを俺は知らん。


「…思惑は知らんがな、この権力主義者が。たかだか三つの歳の違いで偉そうに言うな」

「実力は貴方とは段違いだけどもね」

「五月蝿い、行く気ならさっさと転送装置の申請出しといてくれよ」


 憎まれ口を叩きあいながら、それぞれ医務室と情報処理室へとに分かれて向かった。あいつなら此処の全てのものに顔が利くし、実力もまあ少しばかりは俺よりもある。戦力になるのなら気に食わずとも構わない。

 ふと意識せずに部屋の中へ視線を向けた。見るとパソコンの電源がつけっぱなしになっている。後でまた少し叩けるネタが見つかったなと思いながら俺はパソコンの電源を落とすために部屋の中に入っていった。




 目を開いた瞬間に体中に痛みが走った。布団に包まれた感じと天井の白い色をみて、何時の間に家に帰っていたんだろうかと一瞬思った。脳天にひび罅がはいったかの様な頭痛と全身の強い痛みと傍らのブイドラモンの青い身体を見て自分がまだデジタルワールドいることを知り、軋む頭を押さえながら少しずつ記憶の整理を行った。

 はっと僕は我に帰って辺りを見回した。いないか。当然だ、葉月ちゃんは僕の目の前で連れ去られていったのだから。自分の力のなさを僕は呪う。葉月ちゃんの護衛を任せてくれた結花さんにも葉月ちゃんの事を気にかけていた紫苑にも申し訳ない。僕は紫苑と別れた直ぐに葉月ちゃんを見つけることが出来た。

そのとき既にあいつ等は葉月ちゃんに襲い掛かっていた。ソーサリモンを筆頭としてフレイウィザーモン、ブルモン、ムースモンは唐突に目の前に現れ、有無を言わさず、是非も聞かず問答無用に僕達に襲い掛かった。

僕は直ぐに戦闘態勢になったのだけれど、あちらこちらから繰り出される攻撃を全て防ぐことは適わず、ブイドラモンは地に伏し、僕は昏倒させられ、葉月ちゃんとアクスモンはソーサリモンともども空の彼方へ消えてしまった。我ながら情けない。紫苑や結花さんに合わせる顔がない。不意を突かれたくらいでこのざまなのだから。

 此処は何処だろうと一瞬思ったが、この光景には見覚えがある。QDCファイル島支部の医務室だ。紫苑ほど体の強くない僕はよく此処にお世話になる事があるから覚えている。          

 そうだとわかると、直ぐにでも此処にいる結花さんや恐らくは知らせを受けているだろう紫苑がやってくるだろうと思い当たって、なんと言おうかと言い訳を考えていたときに医務室の扉は唐突に開かれた。


「言い訳は聞かん。責任を取りたいならついてこい」


 僕を見た紫苑の第一声はそれだった。












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 その日が騒がしかったことは記憶力の悪い俺でも良く覚えている。風だけが静かで、東京の腐れ海の匂いを運んでいたことも覚えている。学校から帰ってきたときに見知らぬ車と黒い人々がいつもより多く居たのが分かったから、経験上なんとなく葬式があるんだと思ったことも覚えている。

 特に人の行き来が激しかったのは俺の住む部屋と同じ階だった。多分一つでも下の階だったり上の階だったりしたら俺は気付かなかったんじゃないだろうか。それに気付いたとしてもわざわざ様子を見に行こうなんてことは思わなかっただろう。

 俺が階段を上がっていたときに後ろから大柄の男が俺にぶつかってきた。男は「ごめんよ」とだけ言うとさっさと階段を上がっていった。その時は葬式に来た人なんだろうなと思っていたのだけれど、後々になってからそれがその家の主『よしだかつゆき吉田勝幸』だったことを俺は知った。

十階まで上がりきったときに親父さんは、今はもうよく知る1012号の家に入って行った。ずいぶんと飯をご馳走になった―――というかご馳走になったのは材料だけで小四くらいからは俺が作りに行っていた様なものだったが―――記憶がある。そういえば最近はそれほど行っていない気もする。

 偶然は時に全てのことを超越するがごとく強制的に事を進めてゆく。うざいことこのうえない。語彙力の無い人間はそれを奇跡と呼んだり運命と呼んだりする。だから俺はその言葉が好きではない。しかしその家に住んでいる奴も良くそういうことを口にしていた。

 俺は一歩その家に近づいた。また一歩、一歩、もう二歩ほど進んだ。大して近づかないうちに中から人が出てきた。そいつはドアを勢いよく閉めるとドアを押さえるみたいにしてドアの目の前に座った。長髪で瞑った目は大きそうな感じがした。そして顔は涙とかそういったものでひどく崩れていた。

ただ、そいつが泣いていたとていなかったとて、俺が自分と同じ学年の同じクラスのある特定の女子であることに気付くのには一日を要しただろう。はっきりと分かったのは三日後にそいつが久々に学校に登校してきた時だった。


「誰か死んじゃった?」


 俺はそいつに話しかけた。知ってはいたはずなのに記憶の片隅にしか残っていないそいつに話しかけたのは何故だか良く分からない。奇妙な引っ掛かりと話しかけねばならないような強迫観念が纏わり付いていた。まぁガキの頃の話だからそんなに色々考えていた訳でもねぇんだろうがな。


「…うん。お母さん、死んじゃった」


 そいつは涙声としゃっくりを繰り返しながら言った。身体ごと震えているのが分かった。何を思っているのかもなんとなく分かった。こいつが今経験したことを俺は既に知っていた。それがどれだけ悲しいかも。


「笑っているときを思い出したらいいよ。涙は時に嘘を付くから」


 そいつは俺の顔を見上げた。多分何を言っているのか分からないといった表情だったのだろうけど、その虚ろな目が俺の後ろに潜んでいた何か得体の知れないものを見透かしている様な気がした。

だから相変わらず今も俺はコイツと一緒にいるのが苦手なんだ。全部自分の知らない自分自身のことですら見透かされちまいそうな気がして。




 俺は目を覚ました。腕を組んで木にもたれ掛かったまま寝ていたから、身体を動かしたときに背中と肩の筋肉が音をたてて軋んだ。ミスティツリーズの湿っぽい空気が俺の肌に絡みつく。シャンプーを付けてごしごしと髪をかき混ぜたらこの不衛生極まりない頭を洗えるんじゃないだろうか。

腰からデジヴァイスを外して時間を見ると、デジタル時計は五時過ぎを示していた。だいたい三時間弱ってところか、割とよく眠れたほうだな。神経が昂ぶっていたり嫌な空気を感じるときはよく夢を見る。起きた瞬間に今回はそれが前者であることを感じていた。なんとなく当たりに嫌な気配を感じる。そしてそのなんとなくは外れたためしがない。只でさえ湿気で空気が重いというのにしゃらくさい。


 ゴマは足元のあたりに転がっていた。こいつは良く食べよく遊びよく寝るをモットーにしているらしいから、俺よりも遥かに早く寝ているはずなのに俺よりもずいぶんと遅くに起きる。

 どこかで草の揺れる音がした。聞き間違いは100%在り得ない。目や鼻に比べて耳には自信を持っている。一人…いや、二人か。この近くのどこかに潜んでいる。ゴマはまだ暫く起きないだろう。俺はポケットからナイフを取り出した。今回もどうやらこの剣に頼らなければならないようだ。

 名も知らぬ、いや、教えてもらった記憶はあるが覚えてないといったほうが正しいだろう俺のデジヴァイスには様々な付加機能がダウンロードされている。そしてその中の一つには解凍ツールというものが存在する。持ち運ぶには不便な大きいものや容量の多いもの、重いものを持ち運ぶためにこの機能は存在する。

物質のデータを一時圧縮、つまりメモリーに収まるように丸め込んだデータを引き出したときに使用可能な元の状態に戻すために使われる。それを使用すると物質は本来の姿を取り戻す。

 おっさんは使い勝手の良いように自分で作り磨き上げた秀作だと言っていた。実際なんでも良く切れた。だからおっさんは別れ際にこれを俺に貸してくれた。俺自身もあくまで借り物だと思っている。おっさんは、この片刃の獅子王丸はお前の力になる、といって俺にこれを託した。

俺はナイフにツールを使用した。ナイフはお湯をかけた乾燥ワカメよろしく巨大化した。俺の身体が丸ごと隠れるほどの巨大ななた鉈。それがおっさんの獅子王丸の本来の姿だった。

 俺はツールを使用した際の反応の光で敵らしき者に気付かれたであろう事を認識し、音のした方向の樹木の位置関係から考えて予測できる回避方向に向けて思いっきり獅子王丸を振った。

いっそ衝撃波でもでるなら手っ取り早いのだが、生憎剣のほうにそんなような付加効果は無かった。手応えはないだろう事は予測していたが、それでも敵の舌打ちをする音が聞こえた。人間と思って油断したか?下手に音を出すのは頂けないな。

 俺は直ぐに獅子王丸を引き寄せ刀身を壁代わりに横に向けて刀身の陰に隠れた。薄暗闇の中を岩石のようなものが走り刀身に体当たりを喰らわせてきた。攻撃がやんだ頃を見計らって俺は剣を支柱に飛んで身体を捻りソバットの要領で其処に居るデジモンに一撃を喰らわせた。

本来なら剣を振りかぶるべきタイミングだが、獅子王丸は些か俺には重すぎて扱いきれず攻撃の際は隙だらけになるために剣を振ることは余り無い。勿論蹴りでダメージがあることも期待していない。蹴りはフェイントだし、反動だ。着地の際に勢いを利用して剣を引き寄せた。遠心力がデジモンと比べての俺の非力さをカバーし、スピードに乗った剣が地面すれすれでデジモンに襲い掛かった。

 デジモンが一瞬でも怯んでいることを期待し、直ぐに後方の木の陰へと飛び込んだ。幸いにも先程の岩石攻撃は飛んでこなかった。が、予想は嫌なことの方が当たるもので、二人目のデジモンが左手方向から炎の塊を飛ばしてきた。どうにかこうにか身を伏せてそれを避けたは良いが、辺りは一瞬にして炎に包まれた。これだけ炎がでかけりゃ湿気も関係ないか。火は強烈な勢いで燃え盛った。

 だが炎のおかげで敵の姿を確認することは出来た。炎を発したほうはフレイウィザーモン、岩石と思われた氷の塊を発したほうはソーサリモンだった。二人か、しゃらくさい。

「お前らに夜襲を掛けられる理由はさっぱりわからんが、一応聞いてやろうか。見たとこイカレてるわけでもなさそうだしな」

 俺はそいつらに話しかけた。無益な戦いを望まないという平和主義な人間ではないが、かといって戦いたくて仕方ないサイバードラモンみたいな性格でもないから避けられるなら無駄にエネルギーを消費する戦闘は避けておきたい。それに寝起きにこんな億劫なことをさせられるのも気分が悪い。ましてや肝心のパートナーが寝こけてるんじゃ話しにならん。


「…巣、スイーパー、吉田葉月。君ならこの三つの単語を結びつけて考えられると思うのだがどうかね」

「ちょい待て、巣とスイーパーについては良く知ってる。両方とも俺の
探し物だからだ。だが最後の単語に付いては意味がわからねぇな。いや、分からないこともないが、あえてお前らの口から聞かせてもらおうじゃねぇかよ」

 壊すものがいればその逆も然り。巣、つまりバグとスイーパーという単語を足したときに、俺らが思い浮かべるのはバグスイーパーなどといくことではない。普通はそれら、というか俺らの事をデバッガーと呼ぶからだ。その逆デバグスイーパー。つまりバグを除去するものを排除するという二段否定のそいつらは要約すれば当面の俺の、またQDCという組織そのものの敵となる。

「私達が望むものは君らデバッガーの命と情報だ。さて、戦うか、逃亡するか、降伏するかどれか一つを選択し給え」

「最後の一つはどうしたと聞いている」

 俺は口数の多いソーサリモンのほうを睨み付けた。いやそんな生易しい表現で済ましてやれる気分でもない。俺は激昂した。殺すぞ、カスが。


「…君は今まで会ったどのデバッガーよりも此方側に近い殺気を放つな。ダークサイドへ訪れてみないか?力が手に入るぞ」


 下衆な笑いを浮かべて手を差し伸べてきた。視線だけでそれを払い、俺は獅子王丸を肩に掛けた。腕の力のみで上段に構えることは無理だし、中段の構えは長く続けていられない。下段にしても其処から攻撃に移れない。肩がけの袈裟構えといったところか。これを楽々構えるおっさんの腕力にははるか及ばない。


「俺の事を知っていて葉月の事を口に出すのであればお前がどうなりたいかは分かっている。…俺は人間だが死ぬ気で来いよ」

「愚かな、感情に流されて道を誤るか」

 ソーサリモンとフレイウィザーモンは同時に飛び出した。そして同時に木の上に吊り上げられた。もはや馬鹿だな。何を考えているのやら。


「これは!」

「見て分からないか。罠だよ。俺の事を知っていて不用意に飛び出すんじゃ雑魚と変わらねぇな」


 俺は獅子王丸をソーサリモンの喉下に突きつけた。寝る前にいつも必ず仕掛ける罠が今日始めて役に立ったようだ。


「やはり君は愚かだ。人間にしか通用せぬ罠で何を捕まえたつもりだ」


 ソーサリモンは先程のように掌から氷の塊を撃ち出した。俺は一歩下がり刀身でそれを受け、フレイウィザーモンが俺の仕掛けた罠のロープを焼き切るのを確認した。だよな、分かってるよそのぐらい切り抜けられねぇ生き物じゃねぇって事をよ。

 空中で回転しきれいに着地したソーサリモンはすぐさま俺に杖での打撃を加えてきた。勿論人間の運動神経で全てを防ぎきれるわけも無く、そのうちの一撃を喰らい悶絶してその場に倒れた。ソーサリモンは先程と立場を逆転させ、勝ち誇ったみてぇに俺の喉元に杖の先を突きつけた。そこにフレイウィザーモンも参加する。


「さてこれで君の選択権は奪われたわけだが、すべての事はムゲンマウンテンにて話してもらおうか」


 俺は両手を挙げた。敗者に選択権は無い。ただ強者に屈するのみだ。いつでも戦いというものはそういうものだ。戦争に負けた日本が戦犯者のレッテルを張られてもそいつをはがすことは出来ない。いつでもルールを決めるのは勝者だ。


「テイマーが戦うなんて話聞いたことあるか?デジモンバトルは普通何と何が戦うもんかねぇ。ゴマ、行きやがれ!」


 俺は突きつけられた杖を払って右を向いて叫んだ。流石にスイーパーなだけあって二人とも反応が早い。俺の声に即座に反応して左に攻撃を仕掛けた。俺はその隙を付いて右頬に気の利いた一発を打ち込んでやった。全く、素直な阿呆だ。


「なっ、貴様」


 敗者に有無を言わせる暇を与えてやるほど、慈悲深くも、我慢強くも無い。ウィザーモン系統の奴らの肉体は、元々はぬいぐるみか藁人形だ。加減することなく思いっきり下あごを打ち抜いても手は痛くならねぇ。

 攻撃を受けたソーサリモンを庇う様にフレイウィザーモンが立ちはだかってマッチ棒を振り上げていた。だからデジモンバトルはデジモン同士が戦うもんだろって言ったろうが。俺の右、お前の左に注意しろよ。そら、ゴマの平たい拳が一発、身体を捻っての裏拳が一発だ。


「とことん阿呆だな。せっかくのゴマモンの位置教えてやったのによ」

「おめらゆるいのー。張りがあらんべな」

「主人のピンチにも気付かん奴がようぬかすな。お前飯食わさんぞ」

「まってってや。飯くらい食わせてくれてもいいっしょや」

「その話は後、まずはこいつ等からだ。んで、どうする。喋りたくなるまでとりあえずボコられたいか」


 ソーサリモンは後ろに飛んで体勢を整えた。フレイウィザーモンも跳ね起きる。まだやる気だってのか。よくよく死にたいらしいな、んじゃまイッカクモンにでも進化させますか。


「…私たちの命は君等をムゲンマウンテンまで連れてくること。此処であえて戦いお互いの戦力を減らす意味はない。どうせ君は必ず来ねばならぬのだからな」


 やり気だった俺らを冷水で冷やすようにソーサリモンが言い放った。逃げる気だと感づいたときにはソーサリモンたちの身体はオートパイロットの効果で空高く飛び上がっていた。余りに唐突な逃亡に俺は一歩も動けぬままソーサリモン達を見送る形となった。


「おい、ちょい…くそ!的確な判断だよ畜生め!デジモンの分際でオートパイロットなんぞ使いやがって。分捕るぞこの野郎!」

「ほざいてないで追うべよ」


 いつもと逆の役割でゴマが俺を諭した。冗談言っている場合でもなけりゃぐだぐだ言ってる場合でもねぇ。俺は直ぐに冷静な思考に頭を切り替えた。


「いや、その前にビートランドに行くぞ。予想通りやつら餌に噛み付きやがったが、上層部の奴ら余計なものまで撒き餌にしやがった。文句言いにいくぞ。それに俺らだけじゃ力が足らな過ぎる。ビートランドの腰抜けどもでも役に立たないことは無いだろう」


「んじゃ行くべよ。かなり距離はあっけど急げばお日様でてん間にはつくっしょ」


 獅子王丸を圧縮してポケットに突っ込み、ゴマをイッカクモンに進化させ、そのでかい背中に飛び乗った。ゴマは急いだ。ビートランドへ、QDCのファイル島支部へと。全ては俺達の守るべきもののために。












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過激レンジャー。敵の方が戦隊物みたいになっていますが。
まぁなんだ早くも既にこの段階であんまり書く事が見当たらないのは良いことなのか悪い事なのか。とりあえずあれやこれやを足してわってした感があるのは良いことですよ。はずれがない。
が、当たりもあるかどうかは今後しだい。
うわ適当。ってかそろそろ本当に書く事が薄らになってきたのでここらで戦隊物の感想を書くのは一旦やめておこうかどうなのか。

タコス。まぁ是非ともタロスにカンタロスを入れて欲しいところです。最新型KBTタイプ2020。伝説のメダロッターアガタヒカルのメタビーと同じ仕様のメダロットだぜぃ。
とかネタ。どうでもいいがわしの愛機ドークスの名前はクラウストです。ちっこい頃のお小遣いは必ずボンボンにつぎ込んでたです。

しかし現段階では本当に面白いなぁ。何だろうこれはタロスのお陰かねぇ。凄い何処を見ても安定しとるしねぇ。タロス達の(決してイマジンとは呼ばない)やりとり(一部明らかなアドリブがあるのもまた良し)が楽しいよ。そして主人公の彼は演じ分けがかなり大変なキガス。役者濃いなぁ。

デジモン。こうまで男の作る物語の基礎をそのままぶち込んでくれると返ってつっこみを無しにしたくなる気が。流石Gガンなだけあるぜ。
夕日の中で喧嘩した二人が意気投合って定番過ぎるぜ!っていうかよく考えたらマサルとアグも同じじゃないかぜ!命を別の身体にやどすってどうやるんだぜ!若干デュークさん(さらいえではない。)とスレイプさんの演出が格好良かったぜ!このままではアルフォンスは出オチだぜ!若干バンチョーバーストは笑ってしまったぜ!

あぁバンチョーが今まで戦わなかったのはそういう事か。…?最初戦ったよなぁ。あれは有りなのか。

ところでイグドラモンなんかイグドラシルって言葉を知っているだけにどうにもごろが悪い感じを受ける。まぁイグドラシルモンはもっと気持ち悪い。汁門…

まぁそんなところ。
「キョウト 戦役」


元枢木政権のメンバーだった澤崎敦がフクオカ基地を占拠し「日本」として独立を宣言。だが、それは中華連邦の傀儡に過ぎなかった。それに対しゼロは賛同せず、逆に黒の騎士団による真の独立国家をトウキョウに立ち上げると謳う。その頃、騎士を辞退したスザクは単身ランスロットでフクオカに出撃する。が、圧倒的な澤崎軍の前に窮地に陥ってしまう!



何が熱いって

続編ですよ

つまんない漫画の焼き直しアニメが年月長くなったりするからこういう純粋にアニメから楽しめる奴が出てくるのはいいよね。謎の総集編にOPED改変と良くわからん事になっていたがそれでも全然楽しめてきたコードギアスも本放送はそろそろ尾張。二十三話ぐらいまでしか通常の流れでは放送できないらしく(総集編の所為)そっから先二話はなんかでやるらしい。地上波らしいが予定は未定。続編はまだ形式も決まってないってさ。でもやるって。

とそういうのは抜いといてと、
今回の内容も熱かったねぇ。エナジーを喰うらしいフロートシステム、でも全然余裕で飛びまくってたガウェイン(C.Cとのコンボ含めで最強説)ルル、スザク共同戦線。ガウェ、ラン共闘。ロイド、ラクシャ合作。となんか鬼の様に要素ぶち込み。でもそこで流れる酒井ミキオ素晴らしい。黒石さん酒井さん中川さんと全部好き。

角ニーさんは今後動きがありそうで引き立て役の副総督はいきなり気付いちゃってのC.Cは玉城に言われるまでもなくナイトメアパイロットで総督と騎士他は活躍無し。アヴァロンは足元しかシールド展開できないしロイドさんは女ったらし。シャーリーは戦線復帰気味。そして今度は学園祭!ぶち込むねぇ。無茶気味に執りとめない感じを受けつつもやっぱり楽しめちまうんだねぇ。後ギアスに不思議な変調あり?それとも単純な持続効果の一部?または後催眠。

とりあえずガウェインは顔とパドロン砲が悪役丸出し。そういえばスザクはルルに救われまくりだ。まぁルルもスザクに助けられた事複数ありだからどっちもどっち。

とりあえず次回はC.Cタソの制服待ち。紐で二つ結びカワユス。でも実際の年齢から考えるとコスプレするにも程がある。


 何が起こっているかも分からないまま私はただ突然現れた4匹のデジモンから佐川さんに手を引かれるままに逃げていた。

 有無を言わせぬ問答無用な攻撃は私たちの背中に浴びせられ続けた。佐川さんがこの場にいてくれなかったら私は一体どうなっていただろう。ちらりと横を走るアクスモンに目を向けた。意志薄弱な私の為にどれくらいの苦労を強いられていることだろうか。きっと今度もこの子が大きな怪我を負っていたに違いない。私と始めて会った時みたいに。


 青い二メートルほどの体躯をしたブイドラモン君が飛び掛ってきた鹿みたいなデジモンをパンチで弾き飛ばした。続けて口から光る矢印を吐き出して牛みたいなデジモンに浴びせた。でもあんまり効果を見込める様子も無くブイドラモン君に突進して角先を引っ掛けて木に叩きつけた。その様子は見てるだけで身体が痛くなるほど痛々しい。


「向こうは気にせずにこっちに来るんだ。此処は危ない」


 後ろは振り返らずにデジヴァイスと呼ばれる特殊な機器を眺めながら佐川さんは言った。デジヴァイス越しに眺めているのは恐らくブイドラモン君が目にしている景色と同じだと思う。霧に覆われ薄暗いながらもはっきりとホログラム化され、拡大された液晶画面は立ち並ぶ木々と入れ替わり立ち代り攻撃を仕掛けてくるデジモン達の姿を映していた。


 襲い掛かってきた四匹のデジモンのうちの一匹がブイドラモンという巨大なしんがり殿をするり抜け、私たち人間のほうへ攻撃してきた。振り上げた杖に攻撃されると身を固めた瞬間に佐川さんが私を抱えて横に転がり、アクスモンが立ちはだかって大きな斧でその攻撃を受け止めた。

果敢といえば果敢、無謀といえば無謀ではあるけれど、今の私にそれをとやかく言う資格はない。なにせ私は自分が何をするでもなくただ守られているだけなのだから。

 佐川さんは再び私の手を引っ張って走り始めた。そうだ、立ち止まってしまったらまた攻撃をされるのだ。嘆くよりも先ず逃げなければととっさに脊髄が思考を切り替えた。私は普段なら意識すらしないような変な箇所の筋肉を引きつらせて走り始めた。

 不意に周囲が照らされて、眩しさに私は一瞬目を閉じた。目を閉じたのは佐川さんも同じだったんだろうか、次の瞬間には轟音とともに佐川さんの身体が遥か後方へ吹き飛ばされていた。目の前に赤い帽子のデジモンが立ちはだかった。手には巨大なマッチ棒が握られている。

 身体が竦みあがって声も出なかった。何処にも助けは見当たらない。


「吉田葉月、俺達の目的はお前だけだ。付いて来るか」


 マッチのデジモンはマッチを肩にかけて言った。ああ、これはどうにもならないんだと悟って唾を飲み込んでから一歩前に足を踏み出した。そうしてから思い出した。あいつなら、紫苑ならこんなことはしないという事を。そして私は一歩後ろに下がって言った。


「私だけが傷つかずに降伏なんて出来ない。私だって、僅かな抵抗でも…」

「仕方ないか…」


 最後まで言葉を言い切れなかったし、最後まで言葉を聞ききれなかった。何かが起こって私の意識はそれっきり途切れてしまった。





 紫苑の話をしよう。
 有馬紫苑、お台場中学校二年、得意教科は理科。
 私とは小学二年生のときからの付き合いだ。何の因果か紫苑と私は出会ったときからずっと同じクラスで家も同じマンションの同じ階だった。

 始めて私達が話をしたのは出会った翌年の私の母の葬式の日だった。正直なところを言うと、初めは無愛想で気難しい近寄りがたい奴だと思っていた。いや、その時だけではなく今も思っているといった方が正しいかもしれない。

だから紫苑が話しかけてきてくれなければ私達は友達として付き合ってはいなかったかもしれないしそうでもないかもしれない。運命という言葉を多用すると紫苑はしきりに「そんなつまらない言葉で人の一生を括るな」と憤るけれども、私は出来ればそれを信じたい。

 しかしともかく私と紫苑はそれから仲良くなった。一方的に私が話しかける事が多いから仲良くとは言わないかもしれないけれど、少なくとも人にあまり気を許す事のない紫苑が気のおけない友としてくれるようにはなった。

 紫苑は多くを語ろうとはしない。それは決して口数が少ないというわけではない。少なくとも私や佐川さんのように紫苑が気を許せる人の前ではそこそこに冗談なんかも言ったりする。語らないことは恐らく私達は知らなくてもいいことや知ってはいけないこと。

つまり、何故あの時私に声を掛けてきたのか、何故紫苑の家には自身と妹と時々しか帰ってこない叔父しかいないのか、何故何処へ行くにも必ず現代人の必須アイテムである携帯電話を忘れてゴーグルを携えているのか、なぜこの世界に来たのか、ということ。

 紫苑はあんまりモテない。成績は―――社会で地理がなければ―――優秀だし、実際の頭も良い。それに運動神経も並外れているぐらいにある。髪の毛は整えないが顔はいい。服装はだらしないが体型はいい。ぶっきらぼうだけども優しいところがある。けれど、やはりモテない。モテないからといってどうということでもないとは本人の見解だ。

 此処に着てからの紫苑を私は知らない。大きく変わったのかもしれないし、変わっていないのかもしれない。出来れば変わっていないことを私は望む。未だにモテないことも喧嘩がやたら強いことも。望むだけでそれ以上のことは全て分からない。


 アクスモンの話をしよう。
 アクスモンはデジモン。成長期、データ種、竜人型、必殺技は「斬岩」とアナライザーにはそんなデータがインプットされている。

 私から見て竜というよりは人に近い竜人で、身体は雷の落ちる前のくものような灰色をしていて筋肉質。背中から尻尾にかけて斧の形をした背びれが付いている。腰にはいつも身体の半分を隠すぐらいの大型の斧を下げていて、切れ味はうちの祖父がといだ包丁よりも良く切れる。それはどのくらいかというとそりゃもうもの凄く。

 正確な年齢はわからないけれども、本人は五十年前の戦場に赴いた事があるといっていた。礼儀正しく、共にというよりかは私に仕えているかのような態度で私に接する。亀の甲なのか年の功なのか心身共にとても強く、これまでに私は彼が切り抜けられなかった場面を見た事がない。

 デジモンは強くなるにつれ進化すると聞かされていたけれど、私はアクスモンが進化したところを見た事がない。完全体にまでは進化が出来るといっていたけれど、完全体というものが何なのかどうやって進化するのかは知らない。それはアクスモンも分からないといっていた。

 この子は―――本当は私よりも年上なのだからこの子というのはあまりよくないような気もしないでもないけれど―――何でも知っている。この世界のこと、デジモンのこと、私が何をすべきかも知っている。知らないことをこの子に聞けばきっと電子辞書よりも早く答えが返ってくるに違いない。

 最後に私の話をしよう。
 吉田葉月、お台場中学校二年、得意教科は音楽。
 ある人の協力を得て、私は電脳世界へ紫苑を探しに来た。こちらの世界へは来てからまだ日が浅い。けれど私は紫苑の後を追うためにQDCの保護というなの拘束を撥ね付けてきた。

不安は多少あるけれども、アクスモンがいてくれれば安心できるし、きっと本当に危なくなったときは紫苑が助けに来てくれるはずだ。という強引な思想の元に今日も一歩一歩歩いていく。

 私はこの世界に付いての知識がまるで無い。この世界で何が起こっているのかも、この世界と現実の世界との繋がりも良く分からない。知っているのは今、私自身はテイマーというものであること、紫苑もテイマーであるということ、「QDC」という組織が現実世界と電脳世界の繋がりに大きく関係しているということ、1999年から起こり始めた世界中での不思議な現象がこの電脳世界と関係していること、そして二つの世界は再び危険な状態であるということだけ。




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 デジヴァイスからの進化の光を受けブイドラモンは先ず身体のテクスチャを分解し、ワイヤーフレームのみの状態になった。そしてそのワイヤーフレームの形質を変化させ、その上に新たに組みかえられたテクスチャを構築する。一瞬の出来事だが、データの解析をするとどうやらそのような事が起こっているらしい。

「マスター、進化しましたよ!うわー、すごいなエアロブイドラモンだ。やっぱりそうですよね、これでメガドラモンとかだったら格好つかないですよ、ブイドラモンとしては。

皮膚強度が高いな、ミスリルも目じゃないっすね、なにより翼がでかいのがいいっすね、これで漸く普通に飛べますよ!やりましたねマスター。でも何時進化可能になったんすか。そんなちょっと前もって教えてくれてもいいじゃないですか。人が悪いなマスターも」


「喜ぶのは後にして早く倒してくれ」
「了解っす!」


 進化した自分の姿に意気揚々としてエアロブイドラモンはデジタマモンに向かっていった。そして躊躇なく翼から刃状の風を飛ばした。風の刃はデジタマモンのガードを弾き、それに便乗してエアロブイドラモンはデジタマモンを鷲掴みにして引き摺っていった。


「またずいぶんでかい隠し球だな」

「ちゃんと飛べますよこの翼。しかも速い!」


 色界の一番上、有頂天にまで上り詰めそうな勢いのエアロブイドラモンは全てのことをお構いになしに戦う、というよりか暴れまわった。翼で空を飛び、爪で岩を裂き、口から圧縮された風の塊を吐き出し大地を砕き、尻尾でデジタマモンのデジタマの殻を貫いた。そう貫いた。貫きながら雄たけびを上げた。


「弱いなぁ、駄目だよ。戦い方がなっちゃいない。攻撃は制度と密度が重要なんだよ。手元での1度のずれはミドルレンジでも相当なずれが予想される。一瞬の躊躇が攻撃を返されるきっかけにもなるんすよ」

「戦闘の講釈もいいから、来るぞ技が」


 完全体になって急に気が強くなったな。しかも言っていることは全て僕が教えたことだ。なんて調子のいい奴だ。などと呆れつつ次の攻撃が来ることも確認することは忘れない。苦し紛れにだしたナイトメアシンドロームは全ての身体機能に著しい上昇が見られるエアロブイドラモンにあっさり片手で受け止められた。


「これで十分だ」


 先程自分で貫き作り出したデジタマの隙間を目掛けてブイブレスアローを放った。一撃でデジタマモンは倒れた。その光景が技の強さを物語っていた。


「ついでにカレキさんも眠っていてもらいますよ」


 ついでとばかりにエアロブイドラモンはテイルウィップでカレキさん、つまりジュレイモンをなぎ払った。ジュレイモンは完全体だが御歳1082歳である、根は永きを経て磨り減り動きも鈍く、幹は水分を枯渇し葉は枯れ落ち新たに芽吹くことはなくそのため防御力が低い。ましてや技を放つための実『チェリーボム』がなっていないのだからどうにもしようがない。

年の功である霧の技こそ驚嘆すれど戦闘向きではない。枯れてもなお生きているのだから尊敬するべきだが、成る程デジタマモンが此処に遣わされていたのも分かる気がした。


「この力があれば無敵ですよ。今ならムゲンドラモンでも倒せそうな気がします」


 と調子付いて意気込んでみた瞬間にエアロブイドラモンは元のブイドラモンの姿に戻ってしまった。進化時のDPが少なかったことも関係していると思うが、そう長い間は進化状態を保って入られないようだ。進化していられた時間とDPの残量を計算するとフルパワー時でもせいぜい2分と少し、通常は1分前後といったところだろうか。

「バグは駆除したぜ。お前のとんでもない切り札のおかげでな」


 ブイドラモンに戻ってしまったことを落胆しているブイドラモンを尻目に抜け目なく倒れたジュレイモンからバグを駆除した紫苑はだるそうに首をぐるぐると回しながらデジヴァイスをいじく弄ってイッカクモンを退化させた。戦闘を終えた後のやる気のなさげな溜め息が聞こえた。


「こいつはどうする。オートパイロットで向こう送っておくか。偶には処理を向こうに任せるのも悪くない」

「…そうだね。そうしておいて…っと君はまだオートパイロットは貰ってないんだっけ」

「そういうこった」


 オートパイロットは物質を転送するための機能で、通常の機関では余り配布されない代物で―――というのも僕達の所属するQDCがその所有権を握りあまり広くにダウンロードの許可を行っていないからである―――バグの処理等の業績が一定値に達した者にのみ配られる機能である。故にQDCに所属してからあまり日の経っていない紫苑はこれを所持していなくて当然なのである。


 仕方なく僕がオートパイロットでデジタマモンを転送する。流石に完全体のデータ量は多く転送に多少の時間が掛かる。紫苑は僕の後ろで頭を掻いていた。整えないぼさぼさ頭の中で彼がいつでも肌身離さず持っているゴーグルが揺れた。


「何もかも俺の先を行きやがるな、お前は。今に見てろよ紳」


「僕の方が2年も早くテイマーをやっているんだから当たり前でしょうよ。さていつになったら君の勝率が5割に達するかね。まだたいした数僕に勝ってないでしょ」


 紫苑は再び頭を掻いた。掻く度にぱらぱらと砂埃が落ちる。いや、ふけも混じっているだろう。


「忘れたなそんなこと」

「誤魔化すなよ。忘れる訳ないだろう1桁なんだから。えっと、1勝だっけ…4勝はしてないよね、2勝か3勝?やっぱ1勝だった気もするな」

「言ったそばから覚えてねぇじゃねえかよ、お前は鶏か!」

「ナイスツッコミ」

「これ以上此処に用はない。行くぞゴマ」


 立腹の紫苑はいいツッコミを残して早足で歩き去ろうとした。相変わらずの短気は慣れっこだがまだまだこっちには用があるのだ。


「ちょっとまって、葉月ちゃんには会ったの?レオモンさんには」

「2人とも知らん。レオのおっさんの獅子王丸は未だに俺のポケットの中だし、そもそも葉月はビートランドに置いてきた筈だ」


 紫苑はけげん怪訝そうな顔をして此方に振り返った。何故そんなことを急に訪ねるのかとでも言いたそうな顔だった。聞いたって仕方ないだろうという顔でもあった。


「いや、少し前にゆいか結花さんから連絡が入って、もう3日も前からビートランドを抜けていたって聞いたよ」

「あの馬鹿は落ち着きがないのは昔から変わらねぇんだからよ。じゃぁ尚更急ぐぞ俺は」

「道分かるのかい?」


 紫苑が地理に弱いことを僕は知っている。紫苑はぴたりと足を止めた。それで後ろを振り向かないのは表情から色々と悟られることを避けるためだろうか。


「こっちは行くあてもねぇんだよ。んなもん知るか」


 全く持ってどこまでも自由奔放で無計画な奴だ。小さい頃からの知り合いとはいえ葉月ちゃんもよくこんな男を追いかける気になったものだ。付き合いの浅い僕でさえそう思うのに、それを七年も続けているなんて、葉月ちゃんが不憫だ。何が良くてこの意固地な男と一緒にいるのだろうか。かく言う僕も気が付けばその男と行動を共にしてしまうのだが。


「じゃぁ葉月ちゃんと会ったら君の進行方向を教えておいてあげるよ」

「教えるな、面倒が増える」


 面倒くさそうに言葉を吐き捨てて紫苑は歩いていった。きっとこうやって葉月ちゃんは紫苑の後姿ばかり眺めていたのだろう。




⇒ 続きを読む
わしは生きるのが本気でへたくそだ。あぁ、アウトローとかならずものとかそういうへたくそではないの。ただ単純にへたくそなだけ。それこそニートに近いもんがある。ニートなんてのは古いテレビみたいなもんで衝撃が加わらないと動かないんだよ。でもテレビの叩き方を知らなかったり、周りが勝手にハンマーで叩いてぶっこわしたりするわけ。テレビに出てる偉い人は画面を真正面んからたたきにかかったりするからねぇ。または気味が悪い事にテレビを撫でたりね。どうにもなるわけないじゃない。あ、修理するって方法があったな。いや普通そうだ。
買い換えりゃいいって人もいるんだろうね。

わしは正直主役になるには値しない人間だ。最近はそういう人間に焦点を当てたドラマとかも割合よくあるけど。でも主役にならない人間が主役になったから盛り上がるってのも嫌いだがね。発想としては大人しい人間を取り囲んで普通と違う行動一つ一つを取って笑いにするのに近いから。面白くもなんともねぇよ。

まぁ置いとくとして、わしにとっては途中でやられちゃうようなそんな三枚目役が好き。なんだろうなぁ、自由に飛べる翼を持つよりもその土地を支える根を持ちたいんだろうかね。か、必要とされたがりやか寂しがりや。どうでもいいが~~がりやって言うと必ず~~カリヤザキとか言っていた時期もあったなぁ。華道。あ、わし卯年。

一人で舞台に出た時よりもベースでやってた方がよっぽど良い緊張感があったし楽しかった。向いてるのかもしれない。本当はおしゃべりだがステージ上ではあんまり喋りたくないし。喋る場所のような気はしないし。

穏やかなのが好きなんだよ。ステージにいれば熱いのに変わりはないんだけど(実際鬼の様に暑かった訳だが)結構心中穏やかで(言い回しが古臭いな)やはり三枚目向きだね。ただ、歌わない訳じゃないさ。色々歌は苦手やら不順な動機だったやら言って、実際歌物よりも歌無しの曲の方が好きな物は多かったりするんだけど単純にすばらしいだろ、歌うって事。頑張ってみるさ。どれもこれも。

故にですがね、わしに力をくれよ。多分なんかよくわからんが今は過渡期とか改変期とかそういうとこなんだと思う。
目指したのが歌い手だったのはそこが一番近かったから。単純だったから。他の誰がいなくても出来たから。ギターも一人で出来るから。手を貸す奴がいなくても出来るから。
公言するのもどうかと思うがわしは正直世の中も人間も大体が嫌いだ。好きではないとかでなく嫌いだ。んで、そう言っている自分自身も多分糞野郎だと思う。自分で書いていて酷く無理がある様な人間嫌いは多分自分自身だろう。でも突き放してると楽だよ。他人を悪く言う必要がないから。自分の中で糞野郎とか思ってるだけでいいから。そういうのを聞くのも人に言うのも嫌いだ。ただ事実は指摘したくなる。

歌うのって難しい。色々考えた事がはっきりと他の何も通さずに口から出てる訳だから。最近のどの歌手もあんまり好きになれないのはあんまりにも恥ずかしげもなく嘘を並べたりする人やら、そもそも内在因子そのものが良くない人やら、歌詞とかみ合わない歌だったり、歌う事自体を歌ってなかったり。

歌ってなんだって言われたらわしの場合は歌って言葉だって言う。んで言葉ってのはその調子やら声質やら態度やらで表現するもので、結局のところ言葉って人だと思う。作詞で会社に応募すると大体の場合メロディがないとって言われるらしいんだけど、正直言ってそんな事を言う人は頭が悪いと思う。あ、まぁね歌詞があってそれにメロディをつけて聞いてみたいって事はあるけどさ。

極論すると歌詞は一文字違えば大分違う。句読点の打ち方が違えばほとんど違う。段落のつけ方、行の飽き方、スペースのとり方、まぁあと雰囲気で言うなら字体も変化の一つだね。そうすると単純に文章ではなく絵って事にも近くなってくる(まぁ種類は違うんだが)

一つの曲があってそれにちゃんと読む為の歌詞が文章でついているととても楽しい。それに頭の可笑しい人だと平然と日本語の本来の語調と違う使い方をしてくるからそういうプロは作詞やめればいいのにと思う。

「ごはん」という言葉があって「ご」の調子を上げて「はん」の調子を下げるのと「ご」の調子が低くて「はん」の調子が高いのとでは意味が違う。そういうのは知識にも拠る場合があるけど後者だとマスオさん(あ、声優の名前失念しました)のCMのごはんですよになってしまう。
歌詞にしたら例えば「君と食べたごはんは~」とか何このダサい詩とか言うのはおいといて前者だったらいいが後者だった場合わざわざその情景に脳内でごはんですよを付け足して考えなければいけないかそれとも君と食べたごはんですよなのか。それだけで食ったら味が濃すぎます。濃すぎるというと必ず誰かがケイン・コスギと喋ります。一時期トモダチのあだ名でもありました。

まぁ、語調が違っても良い場合とかありますけどね。前編訛り全開だった場合偶に普通になったら逆に気持ち悪い。ま、試してみそ。歌詞だけを朗読しても雰囲気が著しく変化するこたぁないでしょう?

Iポッドやらってのもいいけどさ、歌詞カードがないのもそれはそれで寂しいと思うがねわしは。だって歌詞を書いた本人の言葉もメロディも人間が歌詞を見て想像出来る限り何一つ変わらずそこにあんだぜ。

でも大体の場合歌詞カードってきっかけに過ぎなかったりするよな。耳で聞いて内容は分かる訳だし。それに、今自分自信が歌なしの歌詞カードだけで新しい詩を記憶しろっても歌があるのと同じスピードで記憶は出来ないだろ。目で見る情報は人間が得る情報の中で最も多そうな感じがするからその分記憶も薄まるんだろうよ。でもその文字に書かれている意味はあまり忘れない。小説でどういう文字が書いてあったか忘れても内容を直ぐにゃぁ忘れない。要するに文字は鍵でもあるんだよ。記憶やら、知識やらのね。


やっぱり長かったので続く
根本的にわしは生きるのがへたくそだと思う。みんなが普通しているような情報集めもさっぱりどこでどうやってるのやら分からず、大体人と付き合うのにきっかけはどう作ってるのかその後どう続けてるのか。あんまりその辺の常識的な事が良くわかってない。
わりと多趣味だとは言われるんだけど、結構やってることは一定しててその時その時で面白いなと思ったものをただ暫くの間延々つづけているだけ。
例えば今だったら戦場に行ったりだとか、
その前だったら煙草を吸ったりだとか
その前だったら服に気をつかうようになったりだとか
その前だったらチョコを多量に食べたりだとか
その前だったら音楽を始めてみたりだとか
その前だったら詩を書いてみたりだとか
その前だったら小説を書いたりだとか
その前だったら小説を読むようになったりだとか
その前だったらくっだらないくっちゃべりを楽しむようになったりだとか
その前だったらアニメを見たりだとか
その前だったら剣道をしたりだとか
その前だったら人形遊びをしたりだとか
その前だったら…流石にもうないか。ゲームは明確にいつからやってるか記憶ないし。アニメはある程度の時期からオタクの方面に進んだ訳だし。

偶然にもアニメから下は今も続いている。くっちゃべりは…まぁする時だけだし、小説も結構選んでしまう性質だからな。っていうか大抵のものは選んでしまう性質だ。だから最後までやりきって理解していこうって感覚がわしにはあんまりない。知らんし興味をそそられないものは手をつけなかったりが多い。

考えてみると、小説はもう7年目に突入する。飽きもせずに同じ話を作っては止め。最近は何か停止しているが詩もかれこれ5年目。音楽は…途中抜けたりしたのを含めると4年目くらいか?まぁ暫くずっと同じ位置に留まっているのがいつもだから大体実質はその年数を二年くらい引いた年数が大体経験年数な訳だが。

歌い手科を今度卒業することになるわけだけど、わしは多分歌い手になりたくてそういう場所を選んだのではないと思う。趣味ではない物でそういう物を目指そうと思ったのも自分から言い出した事ではない。トモダチの一人がやろうぜ、って言ったからやり始めた。吹奏楽部に入ったのは女が原因だった。トモダチがやろうぜって言ったのはアイドルが原因だった。



ちょっと長い話くさいから明日分以降に続けてみる。
。こりゃぁ、子供達がお掃除が好きになるという奴ですか?別に狙った訳ではないだろう。
とりあえず相変わらずゲキレンジャーがいったい何の話なのやら全然見えてきてないのですがまぁ安定はしてるからよし。言うことあんまなし。強いて言えば怪人の製造方法が面倒くさいという事と、偶に雑魚にまぎれてなんか強いリンシーが出てきたりしてんじゃねぇのとか思ったり(それでも弱いもんは弱いんだろうが)
黄色ちゃんが結構可愛い。かも。メイン回早く来ないかなぁ?

波な。ウラワロス変身はなかなか格好良かった。っていうか電王現段階では近年稀に見る程安定して楽しいと感じているんだが。…というのを毎年この時期に感じてたような気もしないでもないんだけどw
これは色々な話の創り甲斐がありそうですなぁ。単純な構成って結果的に構成内容がその分充実するってメリットが大きいよね。
ところで毎回毎回わしが思うことは、ハナちゃん(決してウィッチークイーンローズから生まれてはいない)の現代に出る時の衣装が気になるということ。…なんかやっぱり生の世界の中に存在するイレギュラーってなスタンスで存在している仮面ライダーだからなのか単純にそういうものなのか妙に衣服に気合が入っておるのだよ。んで男の物は多少適当でも良いけど女ものははっきり言って何がどうなっとるんだかわからんからこうテレビを見てしょっちゅうどんなんだか研究しておる。キャラ性を出すのに服って結構わかりやすいところでもあるから手っ取り早くこれで小説書く時に見せちゃったりするんだよな。
後あの絵の具コーヒー。わしは口に近づけたくもないのだが。

ところで今回のイマジンの声は戦隊では伝説的な津久井教生さんでしたな。どうりでなんかふざけた感じだと思ったよ。あの人の演技はひどく好き。

デジタル移動体通信で何かモンクあるか。なんか一層タイトルの意味がわからん。そんなに都合よく何かは浮かびませんとも。

まぁ、バンチョーって。パパルは肉体をのっとられたからバンチョーと身体を共有してるみたいなそんな話?まぁパパル本人な予想とかバンチョーがパートナーとかは殆どの人が想像した事だろうねぇとか言ってみる。まぁ完全な種明かしは次回にて。わざわざ端末にパパルの身体を使う意味も今は見えないのだけれど。

まぁそれはもうどこでも言うことだろう。なのでとりあえずイクトのマサル化現象についてだ。確かにデジモンに育てられただけに規格が人とは違ってもいいさ。でも流石にあの頼りねぇブーメランでばっこんばっこんクリスタルを砕いた時は超吹いた。
後わざわざマサルを上に送るだけで必殺技を使いまくった意味も(まぁ必殺技のエネルギーがデジソウルに上乗せされてイグドラシルに届いたと解釈したら好意的かな?)そもそも結果的に大丈夫だったとはいえ

人間の身体に平然と

大技をぶち込めと命令した

トーマは凄い


全員マサル化現象。でも子供向け番組だとあのダサさ満載な展開も良いねぇと思ったよ。FF7アドベントチルドレンで似たような事をやってた時はぁ格好良くないぞお前等と思ったさ。昭和か。

まぁそんなもんだよね。もう後ちょっとだし突き進めばいいじゃないか。ゲゲゲの喜太郎すればいいじゃないか。シリーズディレクターはテイマーズの貝澤幸男さんだぜ。

やっぱり絵が良い時の女子陣は逆になんか萌えないなぁと思ったら多分単純にあの色使いと目の大きさだと綺麗にした場合にバランスが悪くなって崩れた風に思えるのだと感じたよ。無駄に服のしわをつけ過ぎ。そしてなんかやたらとヨシノの腹が出てる気がした。なんだろうな、絵が良いのもサービスっていうか過剰演出な風に見えてきたよ。だから逆に絵が上手いって言って良いんだかどうなんだかわかりません。

あ、そういえばデジタルワールドを支えているクレニアムモンのあのエネルギーは何なんでしょうか?デジソウルではないよなぁ。長時間エンドワルツですか?
「神 の 島」

式根島から離れた孤島、神根島で目覚めるスザク。カレンと遭遇し、彼女が黒の騎士団のメンバーであることを知る。一方、同じように神根島に漂着したルルーシュは、そこでユーフェミアと出会う。一方、島内の洞窟ではシュナイゼル達が謎の遺跡の調査していた。この3組が遭遇した時におきた出来事とは!?


とりあえずC.Cの通信相手はブリ皇帝だと予測してみる。
シュナイゼルは全然悪っぽくない。じゃ結局どこがマリアンヌをやったってんだい。なんかコーネリアではなさげなのは大分前からわかってたけど。
別の国か?それともギアス関係で?やっぱり尾ぉーぅル、ハイルゥ、ブリタァアニアァアの人ですか?
っていうかなんか悪そうなナイトメアでたし奪っちゃったよルル。ラクしゃんが改造するのか。飛ぶのか。飛ぶランスロットと戦うのか。ってかあれにはルルが乗るのか?カレンかわいい。


んで、今回はひたすらに乳、乳な回だったかと。普段は見せないけれどなんだかカレンはやたらと乳率が高いね。

しかしこの番組、見事にガンダム種の焼き直しをしてしまっているとは思わないか。初期設定もそうだけどさぁ…どうみたって今回はカガリとアス(立場キラ)姫様(名前忘れた)とキラ(立場アス)じゃないか?

スザクとカレンが出会いがしらにやりあうってあれじゃん。最初の方は見てたから若干覚えているのさ。

ねぇ。なんか凄いよねぇ。まぁ何にせよこっちの方が好き。

ところで腐女子ネタ的に言うとカプはゼロカレ、スザシャー(何故ここをつけたのかは不問とする)薔薇とかダメです。男の子なので。百合はおk百合ならコーユー(なんかこれ格好悪いなぁ)でえっちぃの書けますぜ。…お前はこれ以上書いて死ぬ気か。


あー、最近プラネテス3週目。何の報告じゃ。
070203_1044~002.jpg



どちらかと言えば好みはこちらの方で。この甘さ加減がなんともふんわりしてねぇ。なんかこの薄さが物足りないような満足したような。
ともあれこの発想はなかなかのものであるかと。誰が最初に考えたんじゃろね。うまい。
が高い。
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プロフィール

まいむ@ムーン

Author:まいむ@ムーン
現在21歳雄。偏屈で批判家のジョーカー。
性格、マメで粗雑。短気で気長。本人すら把握できず。身長、服屋のついたて鏡に入らない程度。体重、焼肉で米を大盛り2杯と普通一杯程度。
実写よりアニメ、特撮を見る。バラエティは情報系の方が好き。朝Φ新聞が嫌い。エノラゲイが嫌い。
音楽家、作詩家、小説家。いずれも毒々しい部分を持つ。最近の口癖は「ってな訳」「いやいや」「成る程」「1ミリもないわ」「鬱陶しい」
格好良くて優しい人を期待する方にはオススメできない商品。
宣伝鬱陶しい。

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